校長室から

読書の現状と家読

 令和3年度に実施した本県の読書活動に関する実態調査の結果から話をします。小学校21校の5年生720名、中学校20校の2年生759名、高等学校20校の2年生2,209名の児童・生徒を対象としたものです。
 まず、「1か月の平均の読書量(まんがや雑誌を除く、電子書籍を含む)」です。小学生8.38冊、中学生4.20冊、高校生1.45冊の結果がでました。小中学生は昨年度に比べ、やや上昇が見られました。学齢が上がるにつれて、不読者が多くなっている傾向は続いています。また、電子書籍の利用は特に中学生(※24.2%)において増加しており、高校生の利用割合とほぼ差が見られません。(※中学生の全読書冊数3,181冊、電子書籍冊数769冊)
 次に「本を読まない理由」について、中学生だけで見ると、1位が「テレビ・DVD・動画(YouTubeなど)を見るのに時間を使う」、2位「ゲーム(家庭用ゲーム機・スマートフォン等)に時間を使う」、3位「まんがや雑誌の方がおもしろい」・「特に読みたい本がない」との結果が出ています。
 ここでなぜ、読書は必要なのか。それは、読書をすることで、読解力や想像力、思考力、表現力等を養うとともに、多くの知識を得たり、多様な文化を理解したりすることができるようになるからです。また、文学作品に加え、自然科学・社会科学関係の書籍や新聞、図鑑等の資料を読み深めることを通じて、自ら学ぶ楽しさや知る喜びを体得し、更なる探究心や真理を求める態度が培われるからです。
 読書は後で、大人になってからすればよいというのは大間違いです。最も大切なことは、感受性が豊かな中学時代や高校時代にしか得られない感動、深い気付きがあるからこそ、本を読むべきです。

 家読(うちどく)は、家族や身近な人と本を読んで感想を話し合ったり、好きな本をすすめあったり、読書習慣を共有することでコミュニケーションを図り、家族の絆を強める取組です。ぜひ、皆さんも実施してはどうでしょうか。
   【家読(うちどく)のすすめ】       
         ・家族や身近な人と同じ本を読む                         
            ・家読の日、時間を決めてみんなで読む                   
               ・読んだ本の感想をみんなで話し合う                       
               ・自分のおすすめの本を教えてあげる                      
               ・家族や身近な人に本をよんであげる