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いじめのない学校風土をつくる
昨年度の少年の主張芳賀地区大会で、大内中の大塚雫華(しずは)さんは、「いじめのない社会へ」と題して、次のように発表をしています。
私の学校では、全校生徒による「いじめ防止サミット」を行っています。自分たちの行動を振り返り、いじめを撲滅し、明るい学校にする。そのために、クラスや学校全体でいじめについて話し合い、いじめ撲滅宣言を作成しました。いじめの理不尽さを知り、いじめについて深く考えることができて良かったと思います。 「いじめ防止サミット」を行う前は、誰かの陰口などをよく聞きましたが、サミットの後は、あまり聞かなくなりました。
校内いじめ防止サミットは、いじめのない学校を目指して、子供たち自らが考え、力を合わせていじめ防止に取り組む活動です。いじめは子供の中で起きていますから、早期発見や防止には、子供たちのいじめに対する感覚を磨き、意識を高めることが何よりも大切です。校内いじめ防止サミットはそのための活動であり、子供たちが日常的にいじめ防止に取り組む態勢をつくることができます。
この活動は、平成29年度・30年度に山前中学校が県教委指定の人権教育研究校となったことを機に、その取組の一環として始めたものです。その後、各学校でも取り組んでいただいておりますが、昨年度の大塚さんの発表はその成果の表れと大変嬉しく思いました。
いじめは軽微なものを含めると、ほとんどの学校で起きています。しかも、年々増加の傾向にあります。
昨年10月に発表された文部科学省の問題行動調査では、全国の国公私立小中高校と特別支援学校で令和元年度に認知されたいじめは61万件を超え、過去最多を更新しました。本県でも24%増の6003件と過去10年間で最多となっています。これは、学校がいじめを見逃さないよう細心の注意を払っている結果と言えます。問題は、平成28年度に90%を超えていたいじめの解消率が82%に低下していることです。いじめは見えにくく、加害者と言われても悪意や自覚がないことがあります。また、いじめは複雑で、加害者と被害者が逆転することもあり、対応が難しくなっていることがこの数値に表れています。
ひとたびいじめが起きると解決に苦慮するケースが増えています。ですから、いじめが起きないことがベストであって、そういう学校風土をつくらなければなりません。再度言いますが、いじめは子供の中で起きていますから、それは教職員だけでは難しく、子供の力が必要です。そのためには、校内いじめ防止サミットなど全校体制の取組が一層充実することを期待しております。