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「節目」での指導大丈夫ですか。
1学期もあと僅かとなりました。学校では通知表もほぼ完成し、終業式を迎えるばかりのことと思います。ところで、学級担任の先生は、通知表を子供たちに渡した後、どのような話をして夏休みに入るのでしょうか。そして、子供たちはどう受け止めるのでしょうか。
毎年夏休みに入ると、子供の事故が発生し、尊い命が失われています。終業式の日にはどの担任も、夏休みには交通事故や水難事故等に遭わないよう注意し、全員元気で2学期が迎えられるよう話しているはずです。なのに、子供の事故は後を絶ちません。事故の話に限らず、学習指導や生活指導等、「節目」となる終業式での担任の話は極めて重要です。
かつて2学期制が競って導入されていた時期、子供たちが通知表をもらわずに夏休みに入ってしまう「節目」のなさに、いささかの不安を感じていた教師もいたことをご存じでしょうか。通知表は、1学期の子供の努力の足跡を教師が評価し、心を込めて書いたものです。担任はそれを子供たち一人一人に渡し、夏休み中の学習や生活等の有り様(よう)を話します。そこには、1学期の終了と夏休みを迎え、通知表を挟んだ絶好の「節目」の指導があったのです。それができない危機意識が働いていたのです。
学期だけではなく、子供たちの生活の中には様々な「節目」があります。週や月の「節目」での指導は、平坦に流れがちな子供たちの生活にメリハリを与え、ほどよい緊張感を持たせることができます。その重要性を認識し、毎回子供たちの状況を見て、適切な指導を心がけている教師とそうでない教師では、学級経営に格段の差が出てきてしまいます。
夏休み中にも大きな「節目」があります。中学校の運動部の生徒は、夏休みの総合体育大会が終了した時点で部活動に終止符を打ち、進路に向けた勉強に本腰を入れることになります。中学校生活を二分するこの「節目」のときに、部活動顧問からの指導は意欲を喚起し相当の効果があります。中学校の部活動顧問は、技術指導だけではなく、生徒指導はもちろんのこと、学習指導や進路指導等、部員の将来を見据えた指導まで要求されるのです。
他にも、季節や行事の始めと終わり等々、大切な「節目」での指導があります。それらは大丈夫でしょうか。特に現在、新採や若い担任が増えています。今一度、その重要性を確認していただき、どの教師もしっかりとした「節目」での指導をお願いします。