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2021年12月の記事一覧

授業力を高めるため、学ぶ機会の提供を

   11月18日(木)に大内中学校で開催された特別活動研修会では授業が公開され、芳賀管内から多くの先生方が参加されました。また、市内5地区に指定しているICT教育重点校においても、11月から12月にかけて研究授業が行われ、公開されました。
 このような授業公開の場は授業者はもちろんのこと、参観者にとっても授業力を高める絶好の機会となっています。しかし、残念ながら今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、本来なら2学期にたくさん開催される研究発表会がほとんどなく、教師が授業を見て学ぶ機会が少なくなってしまいました。
    言うまでもありませんが、教師の仕事の中心は授業です。そのため教師は、より良い授業を目指して教材研究や指導法の研究等、日々努力しています。教師は反省的実践家と言われ、学んだことを実践し、省察して再び実践し改善するという繰り返しが教師の生命線となります。だからこそ大切になるのが、教師の学ぶ機会の確保です。
 教育公務員特例法を持ち出すまでもなく、教師は絶えず研究と修養に努めなければならず(第21条第1項)、また、教師には研修を受ける機会が与えられなければなりません(第22条第1項)。では、その教師はどんな研修を望んでいるのでしょうか。
 市教委が今年8月に行った教職員に対するアンケート調査では、「どのような内容の研修を受講したいか」の問いに、51.4%の教師が「教科指導」と答え、最も高いことが分かりました。また、初任から教職10年目までの若手教員は、「日々の業務でどのようなことに課題を感じているか」との問いに対し、「教科指導の技術」と答えた割合が63.6%で最も高く、若手の教員は教科指導に課題を抱えていることも分かりました。
    コロナ禍で研修会や研究発表会が開催されなくなり、アンケートで求められている授業について学ぶ機会が減少していることが危惧されます。授業力を向上させるには自ら実践するのみならず、他の教師の授業を見て学ぶことも欠かせません。特に若い教師は、教科指導の技術に課題を感じています。このような実践的課題の解決には、実際の授業を見て学び、学んだことを自分の授業で実践して身に付ける以外にありません。ですが、実際は研究授業等の特別な機会がないかぎり、他の教師の授業を見ることは難しいのが現状です。
 2学期もあと僅かで終了します。教師の欲している学びや解決しなければならない課題が明らかになった今、教師の授業力向上のため、短い3学期ではありますが、教師に学ぶ機会の提供をお願いします。