校長室より

共生社会の実現に向けて(校長室より No.46)

本日、全校朝会(リモート)で校長講話を行いました。
主な内容は以下のとおりです。


1つ目は、9月2日のかき氷のことである。
パパさん学校応援隊の皆様の協力により、今年も全生徒にかき氷が振る舞われた。
このかき氷は、夏休み明けでストレスを感じる生徒も多いことから、皆を少しでも元気付けようと始まったもので、今年で3回目になる。
しかし、「かき氷おいしかったね。」で終わりにしないでほしい。
当日、猛暑の中1人で100杯以上のかき氷を作ってくれたことはもちろん、かき氷器を借りてくることやブロック氷の手配など、大変な手間がかかっている。
また、平日なので、パパさん学校応援隊の方々は、仕事を休んで学校まで来てくれた。
是非、これらのことに思いをはせて、感謝の気持ちを持ってほしい。
これから皆は、長い人生の中で多くの方々にお世話になり、様々な形で手助けしてもらうと思う。
そのようなときには、「感謝」の気持ちを忘れず、言葉で伝えるとともに、行動で示すことが大切。
先日のかき氷で言えば、皆さんが明るく元気いっぱいに学校生活を送ることが、何よりの恩返し。
これからも様々な支援に対する「感謝」の気持ちを忘れず、行動で恩返ししていこう。

2日目は、「中秋の名月」についてである。
昨日、9月17日は「中秋の名月」だった。
多くの人が月見を楽しんだことと思う。
中秋の名月とは、旧暦(太陰太陽暦)の8月15日の夜に見える月のことを指す。
古来、日本では「春は花、秋は月」を愛で、季節を楽しんできた。
月見は「中秋の名月」を鑑賞する伝統的な行事です。澄み渡る秋の夜空に昇る月に、人々は収穫の感謝を込めて祈り、来年の豊作を願った。
皆の自宅でも、お団子をお供えし、ススキの穂を飾り付けたところも多いのではないだろうか。
お団子は月に見立て、ススキの穂は稲穂に見立てている。
また、意外なことに、中秋の名月は必ず満月になるわけではなく、実は今日18日が満月になる。
中秋の名月と満月の日付がずれることはしばしば起こり、これは、中秋の名月は太陰太陽暦の日付(新月からの日数)で決まるのに対して、満月は、太陽、地球、月の位置関係で決まるからである。
ところで、月は季節にかかわらずいつでも見られるのに、なぜ昔から秋の月は美しいといわれるのか。
それは、秋の空気は水分量が春や夏に比べて少なく乾燥しているため、澄んだ空気が月をくっきりと夜空に映し出すからである。
今日が晴れれば、是非、秋の満月を楽しみ季節感を肌で感じてほしいと思う。

最後、3つ目は、先日閉幕したパラリンピックについての話である。
皆もよく知っているオリンピックシンボル、五輪のマークは、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアの5大陸の団結とオリンピック競技大会に世界中から選手が集うことを表現している。
そして、パラリンピックにも「スリー・アギトス」と呼ばれるのシンボルロゴがある。
「アギト」とは、ラテン語で「私は動く」という意味で、困難なことがあってもあきらめずに、限界に挑戦し続けるパラリンピアンを表現している。

パラリンピックは障害者を対象として行われている国際競技大会で、4年に一度、オリンピック終了後に同じ会場を使用して開催されている。
始まりは、1948年の第14回ロンドン大会の開会式の日に、イギリスのストーク・マンデビル病院でリハビリ治療の一環として、ドイツ人医師のルートヴィヒ・グットマンにより開催された、車いす患者によるアーチェリー大会だと言われている。
当初は障害者の治療・リハビリという側面が強かったパラリンピックですが、現在はアスリートによる競技スポーツへと発展している。
出場者も「車いす使用者」から対象が広がり、「もうひとつの(Parallel)+オリンピック(Olympic)」という意味で、「パラリンピック」という公式名称も定められた。
私たちは、パラリンピック等を通して、障害を持ちながらも懸命に頑張るパラアスリートに声援を送るのはもちろん、このような機会を生かして、障害者への理解を深め、障害の有無にかかわらず様々な人々が生き生きと活躍できる「共生社会」の実現に向けて、思いを新たにする必要がある。
そのためには、障害者の問題を自分事として捉えることが何よりも大切である。
そこで、本校では今年の12月5日に「あすチャレ!スクール」を活用して、パラスポーツ体験型出前授業を実施する予定である。
視覚障害のある元パラリンピアンの高田朋枝さんに来ていただき、ゴールボールの体験を行う。
このような機会を生かして、一緒に共生社会の実現に取り組んでいこう。


私たち大人の取組はもちろん、これからの時代を担う皆さんの情熱により、共生社会が実現することを強く願っています。