日誌

田上教育長日誌

郡市校長会でこんなことを話しました。

6月4日(火)に郡市校長会がありましたが、冒頭の挨拶で、私の経験をもとに次のようなことを話しました。 

   校長は結論をもって臨む                                

 校長先生は常に判断を迫られ、日々緊張感があります。もちろん、教頭の考えを求めたり、職員の合意で結論付けたりすることもあるでしょう。時には難しい判断を強いられ、迷うことだってあるかもしれません。
 私が新任校長として市貝中に赴任して早々のことでした。東日本大震災で甚大な被害を受けた市貝中は、旧水沼小での生活を余儀なくすることになりました。そのため、市貝町中央公民館から大型バス7台で生徒を送迎することになり、4月13日から始まりました。しかし、これがそう簡単ではありませんでした。 
 生徒は朝7時50分に中央公民館集合としたのですが、最初に直面した問題は遅刻者への対応でした。職員からは、遅刻が分かるよう通学班を編成する、遅刻と分かれば職員が待って対応する、或いは、遅刻と分かった時の出発時刻をどこまで遅らせるか、等々侃々諤々の話し合いになりました。結局、この時の職員会議では決着が付かず、運営委員会に委ねることになりました。最終判断を下さなければならない校長としても難しい問題です。
 しかし、私は最初から結論は決まっていました。それは、バスは定刻通り7時50分に出発すること、遅刻者には、乗車指導の職員がその保護者に連絡、保護者が責任をもって対応すること、たとえ、仕事や車の免許がなく直接保護者が対応できなくても、タクシーを使うなど保護者自身に任せること、遅刻者については職員は一切かかわらないこと、と少々生徒と保護者にとっては厳しめのものでした。 
 それはなぜかと言いますと、旧水沼小での日課は、必要な授業時数を極力確保するため最大限考慮して作成したものですから、一人の遅刻者のためにそれを崩すわけにはいきません。また、遅刻者への対応で授業に支障を来すことがあってはいけません。それに、旧水沼小での生活は職員の負担増になっており、これ以上負担をかけるわけにはいきませんし、送迎の際の事故等も考えられます。そして、遅刻はなんといっても本人の責任ですので、その対応は基本的には保護者が当たるべきです。厳しいようですが、これらは、はっきりとさせておかなければならないと思ったからです。
    校長は結論をもって会議や話し合いに臨むべきと考えます。運営委員会でも、様々な意見が出され、私は、それらに真摯に耳を傾けました。聞くことは重要ですし、結論を修正することもできます。しかし、最後は、校長として先の結論を言いました。だからといって、職員会議や運営委員会での議論は無駄ではありません。むしろ、そういった議論は、職員の参画意識や資質能力の向上のためには不可欠です。校長は、答えをもっていて、敢えて質問することも必要でしょう。そのためにも、会議等には結論をもって臨むことが大切です。