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田上教育長日誌
学校経営に命を吹き込む
6月6日(火)に芳賀郡市小中学校校長会があり、岡良一郎教育長会長の代理として挨拶をしました。
校長先生方に少しでも参考になればと思い、私の校長経験から得たことですが、「学校経営に命を吹き込む」という内容で、次のように話しました。
「校長の言葉は校経営に命を吹き込む」と言えます。それは、なぜかと言いますと、学校経営には校長の教育理念が必要です。また、経営理論も大事ですし、それに基づく経営構想や経営計画も大事です。しかし、どんなに崇高な教育理念をもっていても、また、高度な理論に基づき、素晴らしい経営構想や経営計画があったとしても、それらを通して見える学校の現状を的確に捉え、適宜・適切に発信する「言葉」が校長になかったら、学校は安定しません。血液が心臓から体内のあらゆる器官に行き渡るように、校長の言葉が、職員に、学校組織に、そして子どもたちに伝わってはじめて、学校経営が円滑に機能すると言えるのです。このように考えると、無味乾燥な学校経営に命を吹き込むのは、やはり「校長の言葉」と言えるのではないでしょうか。
言葉には力があります。学校経営に命を吹き込むような大いなる力があるのです。ですから、言葉は学校経営の戦略として使えます。と言っても、言葉巧みに相手を洗脳するとか、カリスマ的に相手を操るとかのために使うのではないことは言うまでもありません。あくまでも、校長が学校組織を動かし、円滑に学校経営を進めるために使うのです。そのためには、職員への発信が最も大事になります。
よく「校長は講話で勝負する」と言いますが、これは主に児童生徒や保護者向けの講話です。もちろんそれも重要ですが、それ以上に神経を注がなければならないのは、実は職員への話なのです。なぜなら、その校長の言葉によって学校組織が動き、あらゆる教育活動が展開されるからです。一人一人の職員が校長の考えに納得し、共感・共鳴して、一丸となって学校運営に当たれるかどうかは、校長の言葉次第ということです。
ですから、学校経営の戦略として言葉を使う必要があるのです。そのためには、普段使っている言葉は別として、思いつきや行き当たりばったりで言葉を使うことは避けなければなりません。そこで、次の3つのことが大切になります。
(1) 言葉を使える確かな言葉として整え、ストックしておくこと。
(2) いつ、何をどのような言葉で発信するか、意図的・計画的であること。
(3) 必要に応じて、同じ言葉を何度でも繰り返し使うこと。
言葉は見えませんし形もありませんが、使い方次第で、学校経営の大きな武器になるということも忘れてならないことです。