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田上教育長日誌
笑顔で始め、笑顔で終わる
新学期が始まり3週間が経ちました。学級経営や日々の授業は順調でしょうか。そこで今回は、先生方へのメッセージとして書きましたので、是非実行していただきたいと思います。
子供は教師をよく見ています。なかでも、教師の表情は常に見られていますので、子供に大きな影響を及ぼします。といいますのは、教師の表情によってそのクラスの雰囲気が変わりますし、それだけではなく、クラスの子供自身が変わってしまうからです。
私が最初に勤務した中学校の先輩教師のことです。その教師は、子供に厳しく、どちらかといえば力で牛耳るタイプの教師でした。毎年のように問題行動のある子供を担任していましたが、それでも無難な学級経営をしていました。
しかし、ある年のクラスはそうはいきませんでした。やはり、問題行動のある子供がクラスにいましたので、彼は、毎日のように、険しい表情で朝や帰りの会を行っていました。それだけでなく、授業でも厳しく、笑顔などほとんど見せませんでした。教室に入るときから、怒鳴り散らしていることも希(まれ)ではありませんでした。
ついに彼のクラスは、今でいう学級崩壊の状態となってしまいました。だからといって、そのクラスには問題行動のある子供がたくさんいたわけではありません。ほんの数名だったのですが、恐ろしいことに、他の子供も教師に反発するようになってしまったのです。
教師の表情で子供が変わります。やはり、笑顔でにこやかな表情が、子供によい影響を与えることは間違いありません。
特に、授業は笑顔で始めたいものです。私は、いつも授業に臨むときには、自分の気持ちをハイにして子供の前に立つように心がけていました。とはいっても、授業中はそうはいかないこともあります。もちろん、大切なところは真剣な表情で教えなければなりませんし、注意を促すときには表情も厳しくなってしまいます。教師は、ときには役者になることも必要なことです。
笑顔や厳しさなどの表情の豊かさは、まさしく教師の専門性といえます。ですが、授業においては、笑顔で始め、笑顔で終わることを心がけるだけでも、子供の授業への取り組みは変わってくると断言できます。