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田上教育長日誌
悉皆調査で大切なのは個への対応
去る7月31日(火)に全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。昨年から都道府県の平均正答率は整数値で公表されているにもかかわらず、未だ全国の順位がマスコミや新聞紙上を賑わしています。しかし、見逃してはならないのは、各都道府県の平均正答率の差が極めて小さいということです。小学校で言えば、最下位の県と全国の平均正答率の差は、国語A2.9、国語B2.8、算数A2.7、算数B2.7、理科2.4で、いずれも3ポイント未満です。(但し、全国平均正答率は小数第1位まで公表、都道府県は四捨五入して整数値で公表のため、最大で3.4ポイントの差の可能性はあります)全国学力・学習状況調査が実施されて今年で12年目になりますが、年々各都道府県の平均正答率の差が縮まってきています。
既にとちぎっ子学習状況調査と真岡市総合学力調査の結果は出ていますから、これで全ての結果が揃いました。平均正答率に一喜一憂するだけでなく、3つの調査結果をもとに今後次のような取組が必要になります。
① 児童生徒に調査問題を再度復習させる。
② 児童生徒一人一人の結果を把握し、個に応じた指導をする。
③ 学級・学年の結果を分析し改善プランを作成して実行する。
④ ②と③においては、小学校では3年から6年、中学校では1年から3年の学年のつながりを考慮し、学力向上のPDCAサイクルを確立できるようにする。
ここで特に大切なのが②です。それは、いうまでもなく学力調査の目的は学力向上です。つまり、調査結果をもとに児童生徒一人一人の現在の学力を把握し、それを更に向上させることなのです。そのための悉皆調査であって、学力の傾向を見るためなら抽出調査でも間に合います。したがって、児童生徒一人一人への学力向上の指導が重要になります。とちぎっ子学習状況調査と真岡市総合学力調査の結果には、児童生徒の答案のコピーが添付されています。答案の再確認ができますし、結果表だけでは見えない誤答分析も可能になります。
また、これら3つのテストの実施により、小学3年から中学3年までの学力調査のデータが得られることになります。これは④で示したように、学校としての学力向上のPDCAサイクルとともに、児童生徒一人一人の学力向上のPDCAサイクルの確立にも役に立ちます。
実のところ、全国学力・学習状況調査は小学6年と中学3年の卒業学年実施ということもあり、個への対応はなおざりにされたきらいがあります。しかし、とちぎっ子学習状況調査と真岡市総合学力調査の実施により、上述のような個の学力向上のPDCAサイクルの確立が可能になります。
真岡市総合学力調査は11月にも実施しますので、よりきめ細かな児童生徒の学力の把握ができます。悉皆調査で大切なのは個への対応です。各学校での適切な指導をお願いします。