日誌

田上教育長日誌

[チーム学校」をより強化するために

本日、真岡市小中学校校長会があり、次のことをお話ししました。

 平成27年12月に、中央教育審議会答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」が出されて以来、学校においては「チーム○○学校」という表現が目立ってきています。答申では、新しい時代に求められる資質能力を育む教育課程の実現や複雑化・多様化した教育課題への対応、子供と向き合う時間の確保のために「チームとしての学校」の必要性が謳われています。特に注目すべき点は、教職員だけでなく、心理や福祉等の専門スタッフとチームを組んで対応できる指導体制を整備すべきという点です。「チーム学校推進法」なる法案も用意されているとのことですので、専門スタッフを加えて学校の指導体制を強化することは喫緊の課題と言えます。
 こういった背景もあって、多くの学校で「チーム○○学校」と銘打って、教職員の結束力を高め日々の教育活動の向上に取り組んでいます。言うまでもありませんが学校は組織体です。ですから学校教育の充実には、「組織的対応」が欠かせません。これはチームとしての学校も同様です。そこで、改めて組織的対応について次の三つをお示しします。
 先ず一つ目に、目標の共有化・共通理解です。組織には必ず目標があり、構成員全てがその目標を共有化していなければなりません。また、何か問題が起こりそれに対処するには、共通理解が絶対的に必要です。
  二つ目は役割分担です。そもそも組織が存在するのは個人ではできないからです。企業でいえば分業の必要性です。そのためには役割分担が重要になります。特に大切なことは、組織のトップが必要に応じて適切な役割分担をしなければならないことです。急を要する事態には、必要な役割を相応しい人員に、即割り当てることが管理職には求められます。
  三つ目は意思の疎通、情報の伝達です。これをコミュニケーションと言うことにします。たとえ行動は単独であっても、他の構成員との意志の疎通がなければなりませんし、組織のトップへの情報伝達は欠かすことはできません。
 組織の大小にかかわらず、組織的対応には目標の共有化・共通理解、役割分担、コミュニケーションの三つは極めて重要です。もちろんチームも同様で、例えば野球で4番バッターだけを揃えてもチーム力は上がらず、役割に応じた選手が必要なように、学校のチーム力を上げるには教職員の持ち味を生かす役割分担が何よりも大切です。
  今まさに学校は組織として、あるいはチームとして組織力と機動力が求められています。中でも、緊急のときこそ組織的対応が不可欠で、上述の三つのことを確実に実践することによって機動力にも結び付きます。「チーム学校」をより強化するために再確認願います。