校長室より
ひがし野の大地に刻め われらの軌跡(校長室より No.7)
一昨日、5月15日(日)に東中3大行事の1つ「春季運動会」を実施しました。
雨で1日延期となりましたが、グランド整備を手伝ってくださった保護者の皆様の協力もあり、4年振りに御臨席を賜った御来賓の皆様方の見守る中で、盛大に実施することができました。
コロナ禍の制約もほぼなくなり、生徒たちはすべての演技に一切手を抜くことなく全力で取り組みました。
スローガンの「ひがし野の大地に刻め 我らの軌跡」の言葉どおり、多くの喜びや感動をひがし野の大地に刻めたことと思います。
生徒一人一人が主役の運動会。特に、3年生の頑張りと学級の垣根を越えて応援し合う姿に感動しました。
運動会を振り返り、改めて学校行事の重要性を認識しました。発展途上にある生徒たちは、それぞれの学校行事を節目として階段を1段上がるように、一気に次のステージへと成長していきます。
勝利を目指して奮闘すること、新しい役割に挑戦すること、係の仕事を責任をもって行うこと、喜びを分かち合うこと、涙する友人を慰めること、声を枯らして応援することなど、様々な経験が人を成長させます。
真岡東中学校はこれからも学校行事に力を入れて取り組んで参ります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(なお、下の写真は後日差し替える場合があります。)
心に響く日本国憲法(校長室より No.6)
5月3日は、国民の祝日である「憲法記念日」でした。
日本国憲法が、昭和21年11月3日に公布され、昭和22年5月3日に施行されたことを記念して、昭和23年に「5月3日」が「憲法記念日」として祝日に制定されました。
言うまでもなく、憲法とは国家の基本的事項を定めた、他の法律や命令で変更することのできない、国家最高の法規範のことです。
その前文の第二段では、3つの基本原則の1つ「平和主義」について以下のように記されています。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
5月3日の下野新聞には、この前文に対する詩人・白井明大氏の詩訳が掲載されていました。
白井氏は、かつて法律家を目指して勉強していた時期があり、日本国憲法に記された言葉や理念に心を揺さぶられ、引かれたそうです。
白井氏による、前文第二段の詩訳は以下のとおりです。
私は
ずっと平和がいい。
この星で生きていくための
人間と人間の
つながりの土台を支える
とてもとても大事な理想を
深く心に持っておくよ。
平和を愛してる
いろんな国の人々の心の中にある
ウソやごまかしのない姿勢と
お互いを思いやる理性や知性を信じることで
私たちは安心して暮らそうと
そうゃって生きていこうと決めた。
平和を守って
人が人を暴力的に支配したり、
奴隷にしたり、
存在を押しつぶしたり、
偏見に満ちたひどい扱いをしたり、
そういうことを地上から永遠になくそうと
がんばっている国々の集まりの中で
私たちは
胸を張れる仲間でありたい
そう思う。
そして
この世界の国の誰もが
一人の例外もなく
おそろしい目にあわず
貧しさから抜け出して
平和な日々を生きる権利を
持っているんだ
ということを
念のためにここで言っておく。
私たちの生命と人権を守り、日本で全ての法律の基礎となる大切な日本国憲法
詩訳に接し、胸の奥にすっと入ったような気がします。
憲法記念日を契機に、改めて日本国憲法の意義に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
なお、白井明大氏による日本国憲法の詳しい詩訳については、氏の著書『日本の憲法 最初の話』にあります。
こどもの読書週間「ひらいてとじた 笑顔がふえた」(校長室より No.5)
4月23日(日)~5月12日(金)までの約3週間は、「こどもの読書週間」です。
「こどもの読書週間」は、1959年(昭和34年)にはじまりました。
第1回は、日本書籍出版協会児童書部会が中心となって開催した「こども読書週間」(4月27日~5月10日)です。
この年は、ポスターではなくしおりを作成し、東京都内の書店やデパートで配布したと記録されています。
1959年11月に読進協が発足したので、翌1960年の第2回より、読書推進運動協議会が主催団体となり、名称を「こどもの読書週間」、期間を5月1日~14日(こどもの日を含む2週間)と定めました。
「こどもの読書週間」は2000年の「子ども読書年」を機に、現在の4月23日~5月12日の約3週間に期間を延長しました。
4月から5月にかけては、「国際子どもの本の日(4月2日)」「サン・ジョルディの日(4月23日)」などの記念日・関連イベントも多く、また、2001年12月に公布・施行の「子ども読書活動推進法」により4月23日が「子ども読書の日」となった影響もあって、「こどもの読書週間」は年々大きな盛りあがりをみせています。
2023年「第65回こどもの読書週間」の標語は、「ひらいてとじた 笑顔がふえた」です。
東中の図書室にも多くの新刊が配架されています。
以下に、おすすめの図書を紹介しますので、「こどもの読書週間」期間中に是非、読んでみてください。
〇マスクと黒板(濱野京子)
6月。コロナの休校開けの生徒たちを待っていたのでは、「コロナに負けるな!」のメッセージと見事な黒板アート。
こんなすごい絵、誰が描いたのか?美術部2年の立花輝も興味津々。
そんななか再開した学校は、今までと何もかも違う。
みんなマスクをつけ、ソーシャルディスタンスに気をつける毎日。文化祭も運動会もなくなるらしい。なんとなく味気ない日々を送るうち、輝は新しいクラスメイトの貴理・絵実・堅人らとあるイベントをやることに……
同じような経験をしたはずの全国の中学生に送る、コロナから「ふつう」をとりもどすための、輝たちがはじめたささやかな抵抗の物語!
〇ざんねんな偉人伝(真山知幸)
エジソン、野口英世、アインシュタインら、歴史を変え、時代を作った天才たち。
しかし、彼らの素顔は、失敗を繰り返し、トンデモ行動のオンパレードの超変わり者だった。
それでも、彼らが時代を超えて愛される理由とは?
驚きながら楽しく読める、新しい伝記。
〇君らしく働くミライへ(QuizKnock)
社会の多様化、テクノロジーの急発展、コロナ禍……etc.
職業や働く環境が激変する世の中で、何を職業にしてどう生きていくのか?
世の中の情報や価値観が目まぐるしく変化する時代に、未来の職業や働き方について考え、語るのは難しいことかもしれません。
また、「人生100年時代」と言われ、子どもたちだけでなく大人たちも常に迷いながら職業や働き方を模索しています。
しかしながら、そんな時代だからこそ、進みたい道や未来の可能性を自分で「思考し続けること」が大切です。
自分のことを知り、未来を見通す力を養い、「社会との関わり方」を見定めながら進んでいけば、将来「新しい価値を創造できる人」になれるかもしれません。
本書には、未来の職業について思考を深め、可能性を広げるためのヒントが、マンガや図解で分かりやすくガイドされています。
〇キミとはじまりの森(原作:朝倉未来、作:永田えほん)
格闘家・Youtuber・起業家・プロデューサーとして幅広く活躍中の朝倉未来氏が原案を手がけた、絵本形式の物語!
絵と文は、味わい深い画風が持ち味で、今作が絵本デビューの新鋭・永田えほん氏。
「仲間とは?」「優しさとは?」「強さとは?」……
朝倉氏が伝えたいメッセージが、魅力的なキャラクター、ストーリーで躍動します。
すべての漢字にふりがなつき。全世代に読んでほしい一冊です!!
Opus One(オーパス ワン)(校長室より No.4)
「Opus One(オーパス ワン)」
これは、音楽用語で「作品番号第1番」という意味を持ちます。
一般的には、カリフォルニア産のワインの名称の方がなじみがあるかもしれません。
オーパスワンワインは、現在アメリカワインの最高峰に君臨していると言ってもよいでしょう。
フランスワインとアメリカワインの融合。
このワインの命名をしたフランスのシャトームートンのオーナー、ロッチルト男爵は、「1本のワインは交響曲、1杯のグラスワインはメロディのようなものだ。」の考え方を元にこの名をつけました。
豊かな1杯1杯のグラスワインの奏でるメロディが集まっ完成した、深い味わいの交響曲。
以前、この話に触れたときに不思議と学校自体に思いをはせました。
つまり、一人一人の豊かな個性をメロディとすると、その集合体が交響曲としての優れた学校を創る。
そして、「作品番号第1番」は、まさに今のスタートの季節にふさわしい、と。
かけがえのない生徒一人一人の豊かな個性をさらに伸ばし、その集合体である学校自体の響き合いを高めていく、そして響き合いが更なる個性の伸長につながる、そんな学校を創りたいと考えています。
そのためにも、教職員一人一人の多様性を尊重し、その良さを最大限に発揮できるよう配慮していくつもりです。
今後も、生徒一人一人の豊かで多様な個性と可能性をしっかりと伸ばせるよう努力して参りますので、御支援・御協力のほど、よろしくお願いいたします。
1匹のネズミとの出会い(校長室より No.3)
「すべては、1匹のネズミとの出会いからはじまった」。
これは、有名なウォルト・ディズニーの言葉です。
まだ、名も売れず大変貧しい暮らしをしていた若きディズニーと1匹のネズミとの出会いが、ディズニーの人生そのものを変えていったのです。
ミッキーマウスという愛くるしいキャラクターが生まれた瞬間、それからすべてが始まり、ディズニーは全世界の子供たちをはじめ、老若男女を問わず、全ての人々を魅了してやまない多くの作品を、次から次へと生み出していきました。
「出会い」とは、何も人間だけとは限りません。1匹のネズミでもいいのです。1冊の本でもかまいません。
出会いには、夢と希望が宿っています。
人は、それぞれ生育環境が違うし、考え方や行動様式が各々異なります。
ゆえに、人の出会いとは新たな価値との遭遇でもあるのです。
ある人との出会いが古い自分を脱皮させ自分を新しく変えていく。
人は、出会いによって1つ成長するし、出会いは自分を高めるチャンスをはらんでいます。
真岡東中に新たに入学した1年生はもとより、それぞれ進級した2・3年生の皆さん、先生方を含めた新しい「出会い」によって、成長のきっかけをつかみ、自分を大いに高めてください。
東中生の皆さんの躍進を期待しています。