校長室から

2018年4月の記事一覧

4月の朝会講話「自ら学ぶ人」(確かな学力)

 中学校段階での学力は多くの部分は「知識を覚えていること(記憶)」がベースになっている。
心理学者のヘルマン・エビングハウスは、記憶について実験し、「忘却曲線」に表した。
縦軸に記憶量、横軸を時間とした。
 
1時間後には、56%忘れる。Ⅰ日後には、74%忘れる。
1週間後には、77%忘れる。1ヶ月後には、79%忘れる。
「人間は忘れる動物である。」
そこでどうすればよいか。
 
1日後に復習すれば100%に短時間でもどる。しかし、また忘れる。
2日後にまた復習すれば100%に短時間でもどる。
しかし、また忘れる。
3日後にまた復習する。 左のグラフの矢印が「復習で記憶をもどしていること」を表している。
【結論】
  ①学力を向上させるためには、復習が必要である。
  ②復習は、できるだけ早くやる方が、苦労が少なくてすむ。
  ③復習は、繰り返しが必要。繰り返すことで、少ない時間で記憶が完全に近づく。
 学力向上の秘訣は復習を習った日から数日連続で繰り返し行うこと。
0

入学式 式辞より

 
   新入生38名の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を
心待ちにしておりました。保護者の皆さま、お子様のご入学誠におめでと
うございます。心からお祝い申し上げます。
 ・・・・・略・・・・・・
 今日から皆さんは歴史と伝統のある物部中学校の生徒となりました。
 ・・・・略・・・・・・・
 そういった大切な3年間のスタートにあたり、皆さんにお願いしたい
ことがあります。それは、中学校では、まだ自分が気付いていない、「新
しい自分」を探してほしいということです。「新しい自分に出会う秘訣」
を3つお話しします。
 一つ目は、「自分の良いところ、長所を見つめ、自分を好きになるこ
と」です。そうなれば、「がんばろう、挑戦しよう」という前向きなエネ
ルギーが満ちてきます。悪いところ、短所も含めて、まるごと自分をす好
きになりましょう。短所は長所です。例えば、「落ち着きがない」と言う
と短所になりますが、「エネルギーがある」ととらえれば、立派な長所で
す。そうやって自分のことをプラス思考で受け止めることを自己肯定感が
高いと言います。自己肯定感が高まると元気が出てきます。
 二つ目は、「自分の周りの人の良い面に目をやり、好きになること」で
す。そうなれば、「学校が楽しい」という前向きな姿勢になってきます。
例えば、相手を好きになれば、授業中、学級の仲間と考えを述べ合って問
題を解決するときに、友だちの考えの良さが見えてきて、今まで気付かな
かった見方や考え方を知ることができます。そして、それを参考に自分に
も新たな考えが浮かんできます。
 三つ目は、「結果はすぐに出ないから、根気よく挑戦すること」です。
中学生になって、学習内容が複雑になると、すぐに成果が現れないときも
あります。部活動でも同じことが言えます。結果ばかり求めてしまうと、
「自分は能力がない。あるいは、これには向いていない。他のことをやっ
てみよう」というように、自信を失ったり、すぐに諦めてしまったりしま
す。身に付くかどうかは、粘り強く時間をかけて取り組めるかどうかに掛
かっています。「自分にはできる」とプラス思考で考え、挑戦することで
す。
 これら三つのことをみんなで実行することによって、新しい自分に出会
い、人の温かさ、努力・工夫する喜びを知ります。また、みんなで苦しん
だり悩んだりする中で、自分の生きる道を見つけることができます。気が
ついてみたら、自分の夢や目標がちゃんと近づいています。
 新入生の皆さん、互いに励まし合い、支えう合う仲間になってください。
そして、「よし、明日も元気」と、笑顔で、前を向いて、毎日を過ごして
いきましょう。
・・・・・・・略・・・・・・・・・・
0

始業式 校長の話より

  
            今年度も温かい学校・学年・学級づくりを
 心も晴れやかに、「さあ、がんばるぞ!」という気持ちになっている
ことでしょう。
 1年のスタートにあたり、「将来のために、どのような力をつければ
よいのか、どのような学校をつくればよいのか」を話します。
 「希望の高校に入る力をつけること」、つまり知識を身に付けること、
もちろん大切です。皆さんが社会に出て活躍する時代、10年後、20
年後はそれだけでは力不足です。
 私が小学生の頃、学校の授業は、たくさんの子どもに、知識を身に付
けさせる必要がありました。それは、高度経済成長期で、大量生産、大
量消費の時代で、組織の中で、社会の中で、与えられた仕事をやってい
たり、人に教わった方法や人をまねた方法でやっていればうまくいった
時代でした。この物部中でも、昭和30~40年前半は生徒数が400人、
40年後半には300人と、今は120人ですので、3倍以上の生徒数
でした。そして、平日は毎日6時間授業、土曜日も授業があ って4時間、
1週間に34時間の授業がありました。今は29時間です。「詰め込み教
育」と言われました。その後、学校が荒れ、「ゆとり教育」へ、すると学
力低下が教育課題になったり、いじめ・自殺増加によって「心の教育」が
重要視されたりしました。そして、皆さんの時代、これからは、グローバ
ル化、高度情報化社会、人工知能の発達、超少子高齢化社会となり、明治
以来の大変革期が来るといっている学者もいます。知識だけでできる仕事
は人工知能がこなすので、人は必要なくなります。知識はスマフォで調べ
ればわかるので覚えておく必要がありません。人口減少によって、日本市
場は小さくなり、経済活動を維持するために海外に出て事業展開したり、
外国人労働者の確保に力を入れることでしょう。つまり、外国人をはじめ、
多様な人々とかかわりが増えてきます。
 そこで、皆さんに求められる資質・能力は、多様な人と協働して改題を
解決していく力、話合い活動ができるコミュニケーション力、情報活用能
力、そして、人間関係を上手に作れるための人間性、論理的思考力 等が
求められています。
 そのような能力を身に付けるための土台は、人間関係の温かい学校・学
年・学級です。何でも言い合える人間関係の構築が大切です。皆さんには、
そのような集団をつくってくれることを期待します。そのときに、困難だ
ったり、悩んだりしたときは、友だち、先生に相談してください。物部中
の先生は必ず解決の糸口を示してくれると思います。
 一人一人の生徒が自分に自信をもち、自己肯定感を高め、心が優しく、
覇気のある生徒に成長してくれることを願っています。生産性のある、
実がなる1年にしましょう。
0