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2023年3月の記事一覧

宇宙の深淵と無限の可能性(校長室より)

連日の暖かさで、校庭のソメイヨシノも三分咲きほどになり、4月を待たずに散ってしまうのではないかと心配しているところです。

さて、多くの数を表す言葉に「星の数ほど」という言葉があります。
では、この宇宙には、どれぐらいの星の数があるのでしょうか。
肉眼で見ることができる星は、約4000個です。
しかし、宇宙全体では、ずっと多くの星があることが分かっています。

一般的な大きさの銀河には星が50兆個ぐらいあり、その銀河が宇宙には2兆個ぐらいあります。
その結果、宇宙全体の星の数は、地球上にある全ての砂の数よりはるかに多いとされています。
ちょっと信じがたいですが、事実です。

では、この宇宙はどのように誕生したのでしょうか。最新の宇宙論の一つを紹介します。
宇宙は「完全な虚無の世界」である、マザーユニバースから誕生したと考えられています。
今から138億年前にマザーユニバースの一部が変形し、暗黒エネルギーが解放されて他の場に供給され、偶然宇宙が誕生しました。

大きさは、1000兆分の1mほどの大きさしかありませんでした。
その後、急激なスピードでインフレーションと呼ばれる膨張が起こり、その直後にあの有名なビッグバンが起きたとされています。
そして宇宙誕生の3分後から、現在の宇宙にある物質すべての性質を決める元素ができはじめ、その後何種類もの原子がつくられ、やがて星がきらめき銀河が渦巻く、広大な宇宙ができあがりました。

次は、宇宙に終わりはあるのかという問題です。ここでは、宇宙に存在する物質を考える必要があります。
星の原料など私たちの知っている物質は、宇宙の全ての物質のわずか5%ほどでしかなく、残り25%が暗黒物質、さらに残り70%が暗黒エネルギーだということが分かってきました。

様々な研究から宇宙は、このまま加速度的な膨張が続くと考えられています。すると最後はどうなるのか。
全ての恒星が燃え尽き、銀河が消滅し、全てが薄まり続ける宇宙の中で、最後に残ったブラックホールすらも蒸発し、広がりすぎたがゆえに何も起きない漆黒の闇、冷たい静寂の宇宙、「ビッグウィンパー」が訪れるとされています。

宇宙について、誕生から終焉まで駆け足で見てきました。
不確実な部分はありますが、長い長い宇宙の歴史からすれば、極めて短い歴史しか持たない人類が、宇宙の謎の解明までもう一歩のところまで来ていることが、すごいと思います。
まさに、人間の無限の可能性を感じます。

AIの進化などにより予測困難な変化の激しい時代を生きる皆さんだからこそ、自分の無限の可能性を信じて、自らの未来を力強く切り拓いていくことを切に願っています。

3.11 東日本大震災を忘れない

2011年3月11日(金)14時46分、東日本大震災が起きました。
12年が過ぎましたが、改めて震災で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。

この未曾有の震災を経験した私たちは、亡くなられた方々を悼みつつ、防災について改めて考える必要があります。
日本は、3つのプレートの境目に位置しているため、ある程度の周期で巨大地震が発生します。
次に、発生が予想されている巨大地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域とする「南海トラフ地震」です。
静岡県から宮崎県にかけての一部では、震度7の強い揺れが想定され、また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える巨大津波の襲来が想定されています。
東日本大震災を超える規模の、過去に経験のない災害となる可能性があります。
そのため、巨大地震の前兆をつかもうと研究が続けられていますが、地震予知は困難を極め、現状では向こう何十年の間の確率でしか示すことはできません。

そのような状況で、私たちにできることは、東日本大震災の教訓を生かし、「想定外」という言葉を使わずに済むように、最悪の事態を想定して災害に供えることです。
巨大地震発生時に身を守るための行動をどのように取ればよいのか、巨大津波が襲来したらどこに避難すればよいのか、ライフライン復旧までに必要な生活物資は備蓄されているのかなど、しっかりと考えておく必要があります。

東日本大震災から12年、「3.11」を決して風化させることなく、本校では命を守るための防災教育の充実を図って参ります。

卒業生一人一人の前途に、幸多からんことを(校長室より)

本日、3月10日(金)に令和4年度卒業式を実施しました。
今回で、33回目となります。

心配された天候も薄日が差す好天となり、春本番の暖かさの中での卒業式となりました。
今回は、文科省の通知により感染防止対策を緩め、保護者の皆様にも2名を上限に参列していただくことができ、本当に良かったと思います。

卒業生の態度は大変立派で、卒業後の活躍を大いに期待させるものでした。
生徒会長の答辞や卒業記念合唱「正解」と併せて、後輩たちもそのエールをしっかりと受け取ったことと思います。

私からは、式辞の中で2つの励ましの言葉を贈らせていただきました。
主な内容は以下のとおりです。


皆さんの晴れの門出に当たり、二つのはなむけの言葉を贈りたいと思います。
1つ目は、「出会いを大切にしてほしい」ということです。
今までの十五年の人生の中で、皆さんには様々な出会いがあったことと思います。
そして、これからの人生では、今までよりずっと多くの出会いがあります。
その一つ一つの出会いを、是非、大切にしてください。
様々な人との出会いは、自分の新たな可能性の扉を開いてくれます。
スポーツとの出会いは、仲間との連帯感を高め上達の喜びを感じさせてくれます。
音楽との出会いは、感性を豊かにし、感情の幅を広げてくれます。
書物との出会いは、人生を支え、進むべき方向を定めてくれます。
絵画や彫刻などの芸術作品との出会いは、様々な見方や世界観があることに気付かせてくれます。
そして、科学との出会いは、真実とは何かを見極めさせてくれます。
このような、様々な出会いを大切にしてください。
アップルの創始者スティーブ・ジョブズ氏も、「点と点は何かしらの形で将来つながっている。」と述べてます。
感性を磨き、出会いを大切にする心を持っていれば、きっと皆さんの人生は、心ときめくような彩り豊かなものになることでしょう。

2つ目は、「自分で自分の背中を押せる人になってほしい」ということです。
私は、教師の最も大切な仕事の一つは、一人一人の個性や適正を見極めた上で、迷っている生徒たちの背中をしっかりと押してあげることだと思っています。
もちろん御家族や友人もおりますが、義務教育を終え成長するに従い、誰かに自分の背中を押してもらえる機会は確実に減ってきます。
人は、強さと弱さを併せ持っており、人生の重要な決断の場面でも迷うことがあります。
新たな一歩を踏み出す勇気がないと、自分で自分の可能性にふたをしてしまうことになるかもしれません。
サントリーの創業者であり日本の洋酒文化の基礎を築いた鳥井信治郎氏も、「やってみなはれ。やらなわかりまへんで。」の精神で、不可能を可能にしてきました。
皆さんがこれからの人生において、本校のスローガン「挑戦~夢を志に~」の言葉どおり、3年間で培った「西中魂」をよりどころに、自分で自分の背中をしっかりと押しながら自らの人生を切り拓き、大輪の花を咲かせてくれることを切に願っています。


保護者の皆様には、3年間、本校の教育に対する格別の御理解と御協力を賜り、本当にありがとうございました。 
本校を巣立っていく卒業生の皆さん一人一人の前途に、幸多からんことを心よりお祈り申し上げます。

 

明日何が咲くか(校長室より)

はきだめに えんど豆咲き 泥地から 蓮の花が育つ
人皆に美くしき種子(たね)あり 明日何が咲くか

これは、安積得也さんの「明日」という詩です。子供たちの限りない可能性に期待する作者の思いが込められた、すばらしい詩だと思います。

安積さんは、詩人としてだけではなく、官僚や栃木県知事(官選)、社会評論家など多方面で活躍された方です。
また、明治、大正、昭和、平成と4つの時代を生き抜いた方でもあります。

子供たちは様々な可能性の種子を秘めていますが、そこから咲く花は一つとして同じ形や色のものはなく、花の咲く時期も異なります。
しかし、必ず花は咲きます。

この詩に接して、改めて、教師の仕事は子供たちが持っている可能性を信じ、様々な支援をしながら、辛抱強く開花を待つことなのだと感じました。
生徒の皆さんも自身の中にある可能性の種子を信じ、努力してほしいと思います。

いよいよ、明後日8日は県立高一般入試、10日は卒業式です。
3年生の皆さんには、中学校3年間で培った「西中魂」があります。
自分に自信をもち、それぞれの大輪の花を咲かせましょう。

今日はひな祭り(校長室より)

本日、3月3日(金)は、「ひな祭り」です。
「ひな祭り」は、女の子の健やかな成長を願う行事であり、「桃の節句」とも呼ばれています。
「桃の節句」という別名は、桃の開花時期と重なる上に、桃が「邪気を払う神聖な木」と考えられ、行事に用いられたからだそうです。
本校でも、ここ1か月ほど正面玄関に職員から寄贈された「ひな人形」を飾って、お祝いしています。

「ひな祭り」は、中国から伝わった五節句の一つ、「上巳(じょうし)の節句」に由来していると言われています。
季節の節目を意味する「節」のころは、昔から邪気が入りやすいとされていました。
日本では紙などで作った人形で自分の体を撫でて穢れを移し、川に流すことで邪気祓いをする行事として広がっていきました。

「ひな祭り」には、欠かせない行事食がいくつかあります。
その意味を知ると、願いや思いを込めつつ有難くいただけるのではないでしょうか。
下記に、いくつか紹介します。(諸説あり)
ちなみに、今日は「ひな祭り給食」ということで、「いちごロール」や「花のかまぼこ入りコンソメスープ」、「ももゼリー」などが並び、おいしくいただきました。

◆ちらし寿司
縁起のよい具材を使います。えびは「長生き」、れんこんは「見通しがきく」、豆は「健康でまめに働ける」など。緑のみつば、黄色の玉子、赤いにんじんなども飾ると、彩りが華やかになります。
◆はまぐりの潮汁(うしおじる)
二枚貝のはまぐりは、形や模様などが、対の貝殻しか合わないことから、仲のよい夫婦の象徴。相性のよい結婚相手と結ばれて仲むつまじく過ごせるように、との願いが込められています。
◆菱餅(ひしもち)
母と子が健やかであるようにという願いが込められています。「桃色(赤):魔よけの色」、「白:子孫繁栄、長寿、純潔を願う。」、「緑:健やかな成長を願う。」
◆ひなあられ
ひなあられの起源は、ひな人形を持って野山や海辺へ出かけて、ひな人形に春の景色を見せてあげた「ひなの国見せ」という昔の風習。春のごちそうと一緒に「あられ」を持って行ったのが始まりとされています。

気付いて 寄りそい つながる 命(校長室より)

昨年に自殺した小中高校の児童・生徒は512人で、過去最多だったことが28日、文部科学省のまとめで分かりました。これまでは、2020年の499人が最多でした。
内訳は、小学生が17人(前年比6人増)、中学生が143人(同5人減)、高校生が352人(同38人増)です。
コロナ禍の影響があるかもしれませんが、自らの命を絶たねばならないほど追い込まれ、どれほどつらかったことか。
何歳であっても、悩みはあります。
その悩みが深ければ深いほど、仲の良い友人には相談できないと思います。
もしかしたら、おうちの人や先生にも相談できないかもしれません。
そんなときは、下記に電話してください。
「気付いて 寄り添い つながる 命」
世界でたった一つのかけがえのない命が失われませんように。

チャイルドラインとちぎ 0120-99-7777
栃木いのちの電話 028-643-7830
こころのダイヤル 028-673-8341
いじめ相談さわやかテレホン 028-665-9999