校長室から
第3学期終業式式辞
令和6年度も修了式を迎えることになりました。先ほど1・2年生それぞれの代表に、修了証書を授与しました。1年生23名、2年生29名が、その学年で学ぶべきことを全て修了した証です。これをもって皆さんは、それぞれの学年を修了しました。4月から一つ上の学年に進級します。
もちろん進級は、皆さん自身が努力した結果のたまものですが、それだけでなく、保護者や地域の方々、先生方、そして友達の支えがあったからです。ぜひ、感謝の気持ちを伝えてほしいと思います。また、感謝するのは人にだけでなく、教科書やノート、部活動の用具、楽器など、自分を成長させてくれた物にも感謝の気持ちを表すことが大切です。これからも自分と共に歩み、自分の成長を手助けしてくれる大切な物です。これからも大切にしてください。
さて、2年生は、4月から3年生です。物部中学校の顔であり、一人一人がリーダーです。3月10日に卒業生は伝統を残して旅立ちました。皆さん一人一人が思い描く未来が、どのように新たな物部中学校の伝統を作り上げていくかを楽しみにしています。
1年生は、4月から2年生になり新1年生を迎えます。新1年生の手本となるのは2年生です。この1年間をじっくりと振り返り、新1年生が安心できるようなアドバイスをお願いします。また、中堅学年として、3年生をしっかりとサポートし、物部中を支える存在になってください。よろしくお願いします。
絵本作家の中川ひろたかさんの詩で、「おおきくなるっていうことは」という詩があります。
「おおきくなるっていうことは
ようふくが ちいさくなるっていうこと。
おおきくなるっていうことは
あたらしいはが はえてくるってこと。
おおきくなるっていうことは
みずにかおをながく つけられるってこと。
おおきくなるっていうことは
じぶんより ちいさいひとがおおくなるってこと。
おおきくなるっていうことは
ちいさなひとに やさしくなれるってこと。
おおきくなるっていうことは
そういうこと」
自分が成長すると同時に、友達も後輩も成長していきます。それは、身体だけではなく心も成長するということを意味します。大きくなった心で、友達や後輩に接して、頼りがいのある先輩となってください。よろしくおねがいします。
最後に、令和7年度は、皆さんが生き生きと活気あふれる学校生活を送れることを祈念して、修了式の話とします。
卒業式式辞
弥生の風が暖かさを増し、草木の新芽が萌え出ずる頃となりました。このよき日に、学校評議員様の御臨席を賜り、令和6年度、卒業式が挙行できますことを、心から感謝申し上げます。
さて、31名の卒業生の皆さん、そして保護者の皆様、御卒業おめでとうございます。先ほど、一人一人に卒業証書をお渡ししましたが、担任の先生の、万感の思いを込めた呼名に、大きな声で、応えた返事には、本校での生活を頑張り抜いた満足感と、これから歩む、新しい道への強い決意が感じられました。皆さんは、本校のよき伝統を守り、さらに新たな物部中を創造すべく、何事にも一生懸命に取り組んで来られました。その足跡を振り返り、皆さんのさわやかな笑顔、真剣な眼差しを思い浮かべるたびに、数々の感動がこみ上げてきます。
5月27日から29日の二泊三日で、京都・奈良への修学旅行。私自身は久しぶりの修学旅行となりましたが、皆さんと楽しい思い出を作ることができました。特に2日目は雨に見舞われて大変でしたが、全員元気に茶道体験に集合してくる様子が印象に残っています。
夏場、野球部、サッカー部、卓球部、引退のかかった試合に最後まで諦めずに臨んでいる姿が印象的でした。吹奏楽部も更に上を目指し、心を一つに演奏している姿にも心を打たれました。また、特設陸上競技部や駅伝部でも全力で臨む姿に感動しました。特設合唱部は、平成22年以来の中央祭出場を果たしました。三年生のリーダーシップのお陰だと思います。
9月7日の運動会。紅白に分かれそれぞれの組が趣向を凝らした応援合戦。「君の縄」(綱引き)では、力強さを、「一心同体2024」(全員リレー)では、頼もしさを感じさせてくれました。暑い中でしたが、三年生の働きのお陰で大成功に終わりました。
11月2日の桜町祭。今回は、とちおとめホールで行われました。合唱コンクールの曲目「虹」は、心を一つにしたハーモニーで素晴らしかったです。個人発表部門でも、ダンスや演奏をはじめ、中心として盛り上げてくれました。素晴らしく楽しい学校祭でした。
仲間と共に過ごし、一歩ずつ成長していく皆さんの姿は、互いに助け合い、一致団結して目標に向かって努力する姿が深く心に残っています。
今年の物部中学校は、「知・徳・体」それぞれの分野で栃木県から表彰を受けることができました。それは、一重に三年生の努力のたまものです。
私は名前にも「道」が付くように、「道」という言葉がとても好きです。これから、みなさんはそれぞれの「道」に向かって新たな第一歩を踏み出していきます。
「この道を行けばどうなるものかと危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道である。わからなくても、歩いて行け、行けばわかるよ。」プロレスラーアントニオ猪木さんの言葉として有名ですが、実は「清沢哲夫」さんというお坊さんが作った詩からの引用です。「不安に思うけれど新しい一歩を踏み出せよ。その一歩が道となる。」自分自身で進んでいくことの大切さを教えてくれている詩だと思います。
中学校を卒業し、仲の良かった友達とも別れ、新たな環境に進んでいきます。期待だけではなく、不安が募ることも多いことだろうと思います。その先、この生まれ育った物部の地で生きる人もいれば、離れて暮らすようになる人もいるでしょう。長い人生、楽しいことばかりではなく、ときには困難にぶつかることもあります。困難に負けずにしっかりと立ち向かうためには、心のよりどころが必要です。そのよりどころとなるのは、やはりふるさとです。ふるさとには、皆さんを慈しみ育ててくれた保護者の方々がいます。心を許しあった、友がいます。そして、受け継がれてきた先人の教えがあります。くじけそうになったとき、物部中学校の「積小為大」の言葉を思い出し、新しい一歩を踏み出し、これから自分の足で未来を切り拓いていってください。
また、いつも温かく見守り、応援してくれる家族、友人、地域の方、先生方などに感謝の心を忘れず、やがて社会に出たときに、常に全力で挑戦する人生を歩み、これからの物部地区、そして日本、さらには世界に貢献する人になることを心から願っています。
保護者の皆様に一言お祝いを申し上げます。お子様の御卒業、誠におめでとうございます。立派に成長したお子様の姿を目にし、感無量のことと思います。お子様のために、費やした全てが実を結び、本日ここに、立派に御卒業の日を迎えられましたことを、心よりお慶び申し上げます。また、この三年間、本校教育に対する格別の御理解と御協力を賜り、改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
なごりは尽きませんが、本校を巣立っていく31名の皆さん、一人一人の洋々たる前途を祈念しまして、式辞といたします。
令和7年3月10日
真岡市立物部中学校長 栁 利道
立志式式辞
本日は、学校評議員様、PTA会長様の御臨席を賜り、令和6年度立志式が挙行できますこと、心より感謝申し上げます。
さて、立志を迎えた2年生29名の皆さん、本日は誠におめでとうございます。立志式は古来の「元服」現在で言う成人式にならい、15歳を迎える前の中学2年生の時期に「志」を立て、自分の将来に向けて目標を立てる機会です。
先ほど一人一人が堂々と「誓いのことば」を発表してくれました。その様子からは、将来の夢や目標の実現に向かって努力しようとする、強い決意が感じられました。是非、自分の描いた将来像に向かって、新たな一歩を力強く踏み出してほしいと思います。
さて、成人と言われても、昔と今は時代が違うと思う人もいると思いますが、別な視点で現代の14歳を見てみてみると、法律的にも13歳までとは違う大人扱いということです。ですから自分の言動に責任がもてるよう、心、体、頭を鍛えて行くことが大切な年となります。
「志を立て 今日を励まん 今日を学ばん」と言う言葉があります。
「志を立て」とは…将来に向けて夢をもつこと、つまり幸せな人生を送るため大きな目標を持とう。
「今日を励まん 今日を学ばん」…その日その日を一所懸命に励もう、一所懸命に学ぼう。
と呼びかけている言葉です。少し優しく言うと、次のようなことです。「人生の先を考えるようにしよう。ちょっと先にいる自分を想像してみよう。ちょっと先とは、明日、1年後、高校生、10年後、どんな自分になっていたら嬉しいだろうか。そして、イメージしている自分になるため、近付くため、まず自分の強みと弱みを知り、まずは強みを磨く必要がある。」ということです。時代が代わっても色あせない言葉で、中学生だけではなく、私にも、先生方にも響く言葉です。
体育館玄関の近くに、北を向いた石碑があります。「日新」と書かれています。
「日新」とは、中国の代表的な古典「四書五経」の一つである「大学」の中の一節に書かれています。原文は「苟(まこと)に日に新たに、日日に新たに、また日新たなり」という言葉です。中国の殷王朝を作った「湯王」の話で、どんなことでも安定してきて、毎日繰り返していると、惰性となりマンネリ化してしまうので、日々、洗面の器にこの文字を刻み付け、毎朝洗面するたびに、その文字を見て政治に取り組んだという逸話です。毎日、ただ何となく過ごしていては、成長には繋がらないので、一日一日を新たな気持ちで過ごすことが大切だということです。
まとめると、3つになります。
1つ目は、自分の言動に責任がもとう。そのために、心と体と頭を磨きましょう。
2つ目は、人生のちょっと先をイメージし、それに近づけるように強みを磨きましょう。
3つ目は、マンネリ化しないように、日々新たな気持ちをもち、常に問題意識をもち、自分の成長を念頭に取り組みましょう。
最後に、保護者の皆様に一言お祝いを申し上げます。お子様が立派に成長され立志を迎えられたこと、誠におめでとうございます。ここまで、あっという間の14年間だったのではないかと推察いたします。先ほどの誓いを実現できるよう、今後とも愛情と厳しさをもって見守り導いていただけますよう、お願いいたします。
結びに、保護者の皆様には、本校への御支援、御協力に深く感謝申し上げ、式辞といたします。本日は誠におめでとうございます。
令和7年2月4日
真岡市立物部中学校長 栁 利道
第3学期 始業式 式辞
皆さん、明けましておめでとうございます。
新しい年を迎えるとともに、3学期がスタートしました。いよいよまとめの学期です。そして3年生にとっては、中学校生活の総まとめの学期となります。
今年の干支は「巳」です。「巳」は蛇のことです。陰陽五行説では、「火の陰」のエネルギーを持ちます。蛇は神様のお使いとしてお祀りする神社もあり、神聖な動物としてあがめられてきました。脱皮を繰り返し成長していくさまから、復活と再生のシンボルとして縁起の良い動物とされています。「巳」の漢字は、胎児の形から作られた文字で、「産まれる」「将来がある」という意味があり、また、「み」と読むことから、お金が身につく、努力が実るという意味もあります。「これを絶対に成し遂げる」という蛇のような執着心をもち、努力を続けることで大きな成果を得られる年となるようにしてください。
さて、2学期の終業式で「一年の計は元旦にあり」という話をしました。この休みで、この1年の「目標」を立てることができましたか。人間は新しい年になるだけで、不思議と気持ちが変わります。学期が変わるだけでなく、新しい年になるということは、自分を大きく変えるチャンスが来たということです。自分の立てた目標に向かって、一つ一つ積み重ね、努力することが大切です。その積み重ねとは、学習であり、集団生活を通しての人間関係を高めいてくことです。
1・2年生は、4月から中堅学年、最高学年となります。この3学期で、今、自分に何が必要なのかを考えながら学校生活を送ってください。特に2年生は、2月4日に立志式を迎えます。しっかりと志を立て、最高学年の準備をお願いします。
3年生は、最終的な進路選択という大切な時期を迎えます。苦しくても逃げないで立ち向かっていってください。後輩たち、先生方は、皆さんの前進する姿を応援しています。そして、学級の絆を大切にして3月10日に笑顔で、この物部中学校を巣立って行くことを願っています。
最後に、生徒の皆さんそれぞれが、令和6年度のまとめをしっかりして、インフンルエンザ等の感染症対策を取り、共に学び・共に励まし合いながら、明るく活気あふれる学校生活を送ってください。
私たちも、生徒の皆さんが安全で安心した生活が送れるよう支援していきたいと思います。
3学期、寒さは続きますが頑張っていきましょう。
第2学期 終業式 式辞
いよいよ、本日で2学期も終了です。一番長いこの2学期。学校行事、部活動の大会・コンクール、各種の作品展など、忙しい日々が続いたかと思います。そこで、学年ごとにこの2学期を振り返って見ます。
まず1年生、中学校の運動会や桜町祭はどうでしたか。先輩たちの企画力・行動力に驚いた人もいたかと思います。しかし、頼りになる先輩たちも、いずれは卒業します。少しでも早く先輩たちに追いつき、追い越せるよう、その背中をしっかりと見つめ、努力してください。
次に2年生、運動部は夏に3年生から部活動を引き継ぎ、各部とも暑い中、新人大会向けて練習に励んでいました。下級生を引っ張り、毎日の練習に励み、最後まで全力で試合をしていた姿は立派でした。吹奏楽部も桜町祭後、練習時間が少ない中でも、県南地区アンサンブルコンテストに向けて延長練習で励み、当日発表しました。
生徒会役員選挙で令和7年度の新生徒会役員が決まりました。来年1月から動き始めます。現生徒会を手本に、令和7年4月から本格的にスタートができるよう準備をお願いします。
また、来年2月には立志を迎えます。自分の夢や目標をもち、それに向かって一歩ずつ成長していくことを望みます。
最後に3年生、皆さんには感謝の気持ちしかありません。運動会や桜町祭、その他の学校行事で、常に先頭に立って下級生を引っ張り成功に導いてくれました。まさに今年の生徒会年間テーマ「飛翔~仲間と共に明日へ~」を、行動で示してくれました。本当にありがとう。
そして、いよいよ受験が間近に迫ってきました。この冬休みの1月5日から7日までと、3学期に入ってすぐに私立高校の受験があります。体調管理に十分留意し、私立高校受験者全員が「合格」できるよう、全力で学習に取り組んでほしいと思います。頑張ってください。
いよいよ明日から冬休みに入ります。夏休みより休業期間は短いですが、夏休み以上に、この冬休みは大切な休みです。それは、皆さんも分かるように2024年から、2025年という新しい年を迎えることです。
皆さん、2024年はどんな1年でしたか。ぜひ31日までに、この1年を振り返ってください。
そして、2025年、皆さんはどんな年にしたいのか。
「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。「一日(いちじつ)の計は晨(あした)にあり、一年の計は春にあり、一生の計は勤にあり、一家の計は身にあり」という言葉から来ていると言われています。晨は、朝を、春は正月を表しています。初めに計画を立てることで日々の充実度が決まり、勤勉に働くことで一生が決まり、健康維持によって一家の行く末が決まるということだそうです。まず、年の初めに目標や計画を立ててみてください。
インフルエンザの感染症が猛威を振るっている中、感染症対策をしっかり取り、時間を大切にして、自分自身としっかり向き合い、ひと回りもふた回りも成長した皆さんと、来年1月8日の始業式で再会できることを楽しみにしています。それでは、来る2025年の干支、巳年の令和7年が、皆さんにとってすばらしい年になることを祈念して、挨拶とします。どうぞ、よいお年をお迎えください。