校長室より
1年の計は元旦にありー第2学期終業式式辞よりー(校長室より)
先日、12月23日に第2学期終業式を実施しました。
コロナ禍第8波のさなかであり、3年生が私立受験目前のため、リモートでの実施としました。
校長式辞では、2学期の振り返りと3学期への期待を述べた後、ノーベル化学賞受賞者の吉野彰さんの言葉を引用して、「一年の計」について話をしました。
主な内容は、以下のとおりです。
年のはじめにはよく、「一年の計は元旦にあり」と言われる。
これは、「一年の計画は、年の初めである元旦に立てるべきだ」という意味だが、転じて「何事もはじめが肝心だ」、「どんなことでも、やり遂げるためにはきちんと計画を立ててから始めなさい」という意味もある。
今から3年前の2019年に、旭化成にお勤めの吉野彰さんは、スマートフォンやタブレットパソコンなどに欠かせない「リチウムイオン電池の開発」に関わる研究成果が評価されてノーベル化学賞を受賞された。
科学の道を志すきっかけとなったのは、小学校4年生のときの担任の先生が勧めてくれた、一冊の本、マイケル・ファラデー「ロウソクの科学」との出会いがあったからだそうだ。
吉野さんは、受賞後のインタビューの中で、研究の本質をマラソンに例え、次のように述べている。
「研究開発の道のりは、マラソンレースと非常によく似ている部分がある。距離は42.195キロと決まってないが、必ずどこかに『ゴール』はあり、そこには必ず宝物がある。これさえ自信を持てれば、途中でどんな苦しいことがあっても何とか乗り越えられる。その時期を乗り越えたら、逆に研究はこんなに楽しいものなのかなと。」
吉野さんは、研究が行き詰まって本当に苦しいときに、課題はひとまず置いておいて、“ゴール”を先に設定したそうだ。
ゴールとは、難易度が高くても、絶対に完成形はこうあるべきという位置のこと。
「ゴールを見据えること」、それはすなわち「計画を立てること」に他ならない。
「一年の計は元旦にあり」、この言葉どおり元旦には心静かに、しっかりとゴールを見据え1年の計画を立ててほしい。
皆の一人一人には、明るい未来が待っている。
その未来のドアを、きちんと計画を立てることでしっかりと開けてほしい。
来る2023年、うさぎ年の令和5年が、皆にとってすばらしい年になることを祈念している。
よいお年を。