校長室から

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立志式式辞

 本日は、学校評議員様、PTA会長様の御臨席を賜り、令和6年度立志式が挙行できますこと、心より感謝申し上げます。

 さて、立志を迎えた2年生29名の皆さん、本日は誠におめでとうございます。立志式は古来の「元服」現在で言う成人式にならい、15歳を迎える前の中学2年生の時期に「志」を立て、自分の将来に向けて目標を立てる機会です。

 先ほど一人一人が堂々と「誓いのことば」を発表してくれました。その様子からは、将来の夢や目標の実現に向かって努力しようとする、強い決意が感じられました。是非、自分の描いた将来像に向かって、新たな一歩を力強く踏み出してほしいと思います。

さて、成人と言われても、昔と今は時代が違うと思う人もいると思いますが、別な視点で現代の14歳を見てみてみると、法律的にも13歳までとは違う大人扱いということです。ですから自分の言動に責任がもてるよう、心、体、頭を鍛えて行くことが大切な年となります。

「志を立て 今日を励まん 今日を学ばん」と言う言葉があります。

「志を立て」とは…将来に向けて夢をもつこと、つまり幸せな人生を送るため大きな目標を持とう。

「今日を励まん 今日を学ばん」…その日その日を一所懸命に励もう、一所懸命に学ぼう。

 と呼びかけている言葉です。少し優しく言うと、次のようなことです。「人生の先を考えるようにしよう。ちょっと先にいる自分を想像してみよう。ちょっと先とは、明日、1年後、高校生、10年後、どんな自分になっていたら嬉しいだろうか。そして、イメージしている自分になるため、近付くため、まず自分の強みと弱みを知り、まずは強みを磨く必要がある。」ということです。時代が代わっても色あせない言葉で、中学生だけではなく、私にも、先生方にも響く言葉です。

 体育館玄関の近くに、北を向いた石碑があります。「日新」と書かれています。
 「日新」とは、中国の代表的な古典「四書五経」の一つである「大学」の中の一節に書かれています。原文は「苟(まこと)に日に新たに、日日に新たに、また日新たなり」という言葉です。中国の殷王朝を作った「湯王」の話で、どんなことでも安定してきて、毎日繰り返していると、惰性となりマンネリ化してしまうので、日々、洗面の器にこの文字を刻み付け、毎朝洗面するたびに、その文字を見て政治に取り組んだという逸話です。毎日、ただ何となく過ごしていては、成長には繋がらないので、一日一日を新たな気持ちで過ごすことが大切だということです。


まとめると、3つになります。

1つ目は、自分の言動に責任がもとう。そのために、心と体と頭を磨きましょう。

2つ目は、人生のちょっと先をイメージし、それに近づけるように強みを磨きましょう。

3つ目は、マンネリ化しないように、日々新たな気持ちをもち、常に問題意識をもち、自分の成長を念頭に取り組みましょう。

 最後に、保護者の皆様に一言お祝いを申し上げます。お子様が立派に成長され立志を迎えられたこと、誠におめでとうございます。ここまで、あっという間の14年間だったのではないかと推察いたします。先ほどの誓いを実現できるよう、今後とも愛情と厳しさをもって見守り導いていただけますよう、お願いいたします。

 結びに、保護者の皆様には、本校への御支援、御協力に深く感謝申し上げ、式辞といたします。本日は誠におめでとうございます。

令和7年2月4日

            真岡市立物部中学校長 栁 利道

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