校長室より

校長室より

臆病な自尊心(校長室より No.12)

中島敦の小説「山月記」には、かつて人間であり、詩人になろうとしてなれず、その妄執から虎に変身した男が描かれています。

虎になった男は、旅人としてその地を通りかかった昔の友人と出会い、虎になるまでの身の上を語ります。
その中に、「臆病な自尊心」という言葉が出てきます。
「自分は、詩によって名を成そうと思いながら、師について勉強することもせず、志を同じくする友人と切磋琢磨することもしなかった。わざと努力を怠ったのは、自分に詩の才能がないことを自覚するのが怖かったからであり、つまりは『臆病な自尊心』のせいである。」と。

程度の差はあるかもしれませんが、誰の心にも「臆病な自尊心」はあります。
全力を尽くして失敗したり、敗北したりすると、自分があまりにもみじめで救いがたいからです。
そこで、「まだ本気出していないから、失敗したってどうってことないもんね。」と、言い訳を先に用意してしまいます。
果たして、これで本当によいのでしょうか。
山月記の虎になった男と同じように、きっと「後悔」することでしょう。

明日から、いよいよ期末テストです。
初めての定期テストを受ける1年生はもちろん、2・3年生も、「臆病な自尊心」に負けず、全力で努力した上で、テストに臨んでほしいと思います。
がんばれ、東中生!

今日、6月15日は「栃木県民の日」(校長室より No.11)

今日、6月15日は、「栃木県民の日」です。
今年は、栃木県が誕生して150年の節目の年であり、県内各地でお祝いのイベントが開かれています。
本校でも、昨日の全校朝会で、栃木県の生い立ちやシンボル等について、話をしました。
主な内容は、以下のとおりです。


明日、6月15日は、「栃木県民の日」である。
明治6年(1873年)の6月15日に、栃木県と宇都宮県が合併し、おおむね現在の栃木県になったのが県民の日の由来である。
そして今年は、それから150年が経ち、栃木県誕生150年の節目の年となる。
栃木県の生い立ちは。以下のとおりである。
「旧石器時代から平安時代」
大和朝廷の勢力が東へ拡大したころの本県は、下毛野国(しもつけぬのくに)と那須国があった。
7世紀後半、統一されて下野国、すなわち栃木県の原型が形作られた。
下野国は9郡に分かれ、政治の中心として国府が置かれた。
「鎌倉時代から江戸時代」
鎌倉幕府が成立すると、小山・宇都宮・足利・那須などの下野の武士も御家人として活躍した。
中でも小山氏は、下野国の守護を務め、一族は結城・長沼等に分かれて栄えた。
足利学校は「坂東の大学」として、宣教師によってヨーロッパにまで隆盛の様子が伝えられた。
徳川家康が幕府を開くようになると、中世以来の豪族は相次いで下野から姿を消し、天領や旗本領に細分化され大名や旗本が支配するようになった。
日光は幕府の聖地として、東照宮をはじめとする華麗な建物が作られ、特別に保護、崇敬された。
二宮尊徳は、近世後期の荒廃した農村のたて直しを図るため、桜町(現在の二宮地区)の旗本領の復興に努め、以後各地で報徳仕法と呼ばれる改革事業を実施した。
幕末から近・現代」
戊辰戦争を経て明治維新を迎えると、政府は中央集権を推し進めるため廃藩置県を断行し、旧来の封建支配の一掃を図図った。
さらに県の整理統合が進められ、明治6年(1873年)6月15日に今日の栃木県が成立した。
県庁は、最初栃木町(現在の栃木市)に置かれたが、明治17年(1884年)に宇都宮町(現在の宇都宮市)に移された。

次は、県名の由来についてである。
「栃木」という県名は、本県最初の県庁所在地「栃木町」(現栃木市)に由来しているが、この地名の語源には、様々な説がある。
1「十千木説」
栃木町内に神明宮(しんめいぐう)という神社があり、この屋根にある2本の千木(ちぎ)と8本の鰹木(かつおぎ)を遠くから見ると、10本の千木に見えたことから、この周辺を「十千木(とおちぎ)」と呼ぶようになったという説
2「トチノキ」説
旧栃木町にトチノキが多く生えていたという説
3「崩壊地名」説
市内を流れる巴波川うずまがわは、かつて度々氾濫を起こしたことから、崩壊地を表す「チギる」に接頭語「ト」が付いたという説

次は、県のシンボルについてである。
「県章」
デザインは、県内の在住者及び本県の出身者から公募して選定した。
図案の意味は、「栃」の字を抽象化し、エネルギッシュな向上性と躍動感を表現したもので、3本の矢印は「木」の古代文字を引用したものである。
県木「トチノキ」
平和のシンボルである緑の意義を自覚し環境緑化を推進するため、県庁内で選定された。
この木は、その名前により古くから郷土の木として親しまれている落葉樹である。
葉は手を広げたような形をしており、5月頃、白やピンクの優雅な花を咲かせる。
県獣「カモシカ」
県民に野生動物を理解してもらい愛護の精神を高めるため、県鳥獣審議会の答申により選ばれた。
体はシカよりやや小さく、オス・メス両方に短い角が生えている。
県北西部の山地の奥深くにすみ、性格はおとなしく、草や木の葉などを食べている。
特別天然記念物に指定されている貴重な動物である。
県花「やしおつつじ」
県民の郷土愛と郷土意識を高めるとともに、昭和45年に開催された日本万国博覧会を記念して選定された。
那須高原、塩原、日光などを中心に、県中央部や南部の山地にも広く分布しているツツジ科の落葉低木である。
花は、直径5センチメートルくらいで、ピンク、白色、濃い赤紫色のものがあり、4月中旬から5月上旬にかけて咲く本県の春のシンボルである。
県鳥「オオルリ」
県民に野生鳥獣を理解してもらい愛護の精神を高めるため、 県鳥獣審議会の答申により選ばれた。
ウグイス、コマドリとともに日本三大鳴鳥の1つに数えられる渡り鳥である。
5月頃南方から渡ってきて、10月初め頃まで日光、塩原、那須などの渓谷にすむ。
雄は美しい瑠璃色で姿もよいことから、県鳥に指定された。

「栃木県民の日」は、県民一人一人が、郷土を見直し、理解と関心を深め、県民としての一体感と自治の意識を育み、より豊かな栃木県を築きあげることを期する日として、昭和60年(1985年)に6月15日を「県民の日」として制定された。
ここで、栃木県誕生150年を記念して、福田富一栃木県知事から、皆にメッセージがあるので見てほしい。
今日の校長講話により、郷土愛が一層深まることを期待している。


今日は、昼の校内放送で「県民の歌」を流してもらいました。
生徒たちは、「県民の日特別給食」をおいしく頂きながら、栃木県誕生150年をお祝いしました。
 一連の取組により、生徒たちの「栃木愛」が一層深まることを祈念しています。

昨晩は「ストロベリームーン」(校長室より No.10)

先週末は、台風や前線に伴う豪雨により、全国各地で災害が発生しました。
本校においても、2日(金)に一度下校時刻を早めるメールを発出した後、急に雨が強くなったため、急きょ下校時刻を更に繰り上げました。
短時間での下校時刻の変更で、保護者の皆様には御心配と御迷惑をお掛けし、申し訳なく思っております。
自然災害に係る生徒の安全を最優先しての措置であり、御理解をいただきたいと思います。

さて、昨日4日(日)は満月でしたが、6月の満月を「ストロベリームーン」と呼ぶのを御存知でしょうか。
アメリカの先住民が付けた呼び名だと言われています。
彼らは、満月を季節の変化の節目にしながら農作業や狩猟などを行っていて、各月の満月に次のような名前を付けていました。(地方によって呼び方は違っていたようです。)

1月 : Wolf Moon/Old Moon(狼が空腹で遠吠えをする頃)
2月 : Snow Moon/Hunger Moon(狩猟が困難になる頃)
3月 : Worm Moon/Sap Moon(土から虫が顔を出す頃/メープル樹液が出る頃)
4月 : Pink Moon(フロックス/Phlox というピンクの花が咲く頃)
5月 : Flower Moon(花が咲く頃)
6月 : Strawberry Moon(イチゴが熟す頃)
7月 : Buck Moon(雄ジカの新しい枝角が出てくる頃)
8月 : Sturgeon Moon(チョウザメが成熟し、漁を始める頃)
9月 : Harvest Moon(収穫の頃)/Corn Moon(とうもろこしを採取する頃)
10月: Hunter’s Moon(狩猟を始める頃)
11月: Beaver Moon(毛皮にするビーバーを捕獲するための罠を仕掛ける頃)
12月: Cold Moon(冬の寒さが強まり、夜が長くなる頃)

6月の満月は、イチゴが熟し収穫できる頃ということで「ストロベリームーン」なのですね。
「いちご日本一の街もおか」にぴったりの名前だと思います。
今日もほぼ満月の月が見られれると思います。
月に様々な名前を付けたアメリカの先住民の生活に思いをはせながら、夜空を見上げてみてください。
なお、満月が地平線近くにあるときは、大気の影響により少し赤く見えるかもしれません。
ちなみに、満月の南中高度は、太陽とは反対で6月が一番低くなります。

強い気持ちとチームワーク(校長室より No.9)

本日、6月1日(木)に選手壮行会を行いました。
運動部の3年生にとって夏の総体は、勝てば県・関東・全国へとつながる重要な大会であると同時に、負ければ引退という厳しい大会でもあります。
そんな厳しい大会に挑む3年生に、以下の2つを話しました。


1つ目は、試合に臨む心とき構え。
試合において最後に勝敗を分けるのは、技術でも戦術でもなく「強い気持ち」である。
相当の実力差がある場合を除き、10回試合をして1回でも勝てる相手であれば、本番の気持ち次第で互角の勝負に持ち込むことができる。
今まで一切手を抜くことなく練習に励み、努力を重ねてきたことと思う。
大会本番では、努力した自分を信じて「強い気持ち」で試合に臨み、気持ちで相手を上回り、持てる力を存分に発揮してほしい。

2つ目は、仲間との絆、「チームワーク」。
自分がこれと決めた部活動で頑張った3年間。
ときには練習がきつくて、くじけそうになることもあったはず。
そんなときに、一緒に頑張ろうと励ましてくれた仲間。
自分のミスで試合に負けて、落ち込んだときもあったかもしれない。
そんなときに、寄り添い元気付けてくれた仲間。
そんな、大切な仲間との絆、「チームワーク」を信じて試合に臨んでほしい。
試合中の厳しい場面ほど、「チームワーク」が力を発揮する。


「強い気持ち」と「チームワーク」、この2つで夏の総体に挑み、最後まで諦めることなく戦い抜いてください。
本校には、「心意気」というすばらしい言葉があります。
本気の思いは、必ず叶います。
「やってやるぞ」という強い気持ち「心意気」の下、県大会出場、関東大会出場などの目標を達成し、苦楽をともにした仲間と一日でも長く一緒にプレーできるように頑張りましょう。
皆さんの活躍を信じ、応援しています。
文化部の生徒の皆さんや校外のクラブで活動している生徒も、それぞれの目標に向けて頑張ってください。
最後に、色紙には「強い気持ち」が大切ということで、「闘志」と書かせていただきました。
皆さんの健闘を期待しています。

 

君こそファーストペンギン(校長室より No.8)

一昨日、5月24日(水)に、全校朝会で校長講話を行いました。
4月に続いて、全校生徒を体育館に集めて行えたことをうれしく思います。

講話の内容は以下のとおりです。
1 新型コロナウイルス感染症5類移行後の必要な感染防止対策を継続
2 大成功だった春季運動会の称賛(特に3年生の頑張り)
3 君こそファーストペンギン

「ファーストペンギン」の話の主な内容は、以下のとおりです。


野生のペンギンは、常に他の肉食動物に捕食される危険と隣り合わせの生活を強いられている。
ペンギンは厳しい環境を生き抜くために、基本的には集団で行動している。
生涯の7割以上を海で過ごし、陸に上がってくるのは、羽毛の生え変わる時期と子育てのときだけである。

魚が主食のペンギンは、陸の上から魚のいる海の様子をじっと観察するが、海の中にはペンギンの天敵であるシャチやアザラシなどもいるので、最初はなかなか飛び込もうとしない。
しかし、しばらくすると、あるペンギンが意を決して最初に飛び込む。天敵に捕食されるリスクをものともせず、自分を信じてチャンスをつかもうとするこの勇気あるペンギンを「ファーストペンギン」と呼ぶ。

ペンギンの世界に絶対的なボスは存在せず、誰かが先人を切って飛び込めば、後に続いて次々と海に飛び込んでいく。ボスではない普通のペンギンが「最初の一羽(ファーストペンギン)」になって、それにみんなが従う。

学校生活の中でもこれと似たような状況があると思う。
例えば先生に、何かの役割を頼まれたとき、自分から進んで初めに手を挙げるのは、勇気がいる。
授業中の質問も、初めに手を挙げるのはちょっと気が引けてしまうこともある。
しかし、誰かが手を挙げた後は、意外と次の人が続くことも多いのではないか。

「ファーストペンギン」になれば、シャチやアザラシなどの天敵に食べられてしまうリスクはあるが、反面、誰よりも先にエサにありつき、おなかいっぱい食事をするチャンスを得ることができる。
それだけではなく、仲間が安心して海に入ることができる状況をつくることで、群れに大きく貢献することができる。

普段の生活においてもファーストペンギンになることは、今まで見たことのない新しい世界を知るきっかけとなり、人生をより豊かなものにしてくれるだろう。
まずは、明日からの学校生活で、皆が最初の1歩を踏み出す勇気をもち、ファーストペンギンになってくれることを期待している。


東中生が、勇気をもって最初の一歩を踏み出し、ファーストペンギンとして新たな自分と出会えることを期待しています。

 

ひがし野の大地に刻め われらの軌跡(校長室より No.7)

一昨日、5月15日(日)に東中3大行事の1つ「春季運動会」を実施しました。
雨で1日延期となりましたが、グランド整備を手伝ってくださった保護者の皆様の協力もあり、4年振りに御臨席を賜った御来賓の皆様方の見守る中で、盛大に実施することができました。
コロナ禍の制約もほぼなくなり、生徒たちはすべての演技に一切手を抜くことなく全力で取り組みました。
スローガンの「ひがし野の大地に刻め 我らの軌跡」の言葉どおり、多くの喜びや感動をひがし野の大地に刻めたことと思います。
生徒一人一人が主役の運動会。特に、3年生の頑張りと学級の垣根を越えて応援し合う姿に感動しました。

運動会を振り返り、改めて学校行事の重要性を認識しました。発展途上にある生徒たちは、それぞれの学校行事を節目として階段を1段上がるように、一気に次のステージへと成長していきます。
勝利を目指して奮闘すること、新しい役割に挑戦すること、係の仕事を責任をもって行うこと、喜びを分かち合うこと、涙する友人を慰めること、声を枯らして応援することなど、様々な経験が人を成長させます。

真岡東中学校はこれからも学校行事に力を入れて取り組んで参ります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(なお、下の写真は後日差し替える場合があります。)

心に響く日本国憲法(校長室より No.6)

5月3日は、国民の祝日である「憲法記念日」でした。
日本国憲法が、昭和21年11月3日に公布され、昭和22年5月3日に施行されたことを記念して、昭和23年に「5月3日」が「憲法記念日」として祝日に制定されました。

言うまでもなく、憲法とは国家の基本的事項を定めた、他の法律や命令で変更することのできない、国家最高の法規範のことです。
その前文の第二段では、3つの基本原則の1つ「平和主義」について以下のように記されています。


日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


5月3日の下野新聞には、この前文に対する詩人・白井明大氏の詩訳が掲載されていました。
白井氏は、かつて法律家を目指して勉強していた時期があり、日本国憲法に記された言葉や理念に心を揺さぶられ、引かれたそうです。
白井氏による、前文第二段の詩訳は以下のとおりです。


私は
ずっと平和がいい。
この星で生きていくための
人間と人間の
つながりの土台を支える
とてもとても大事な理想を
深く心に持っておくよ。
平和を愛してる
いろんな国の人々の心の中にある
ウソやごまかしのない姿勢と
お互いを思いやる理性や知性を信じることで
私たちは安心して暮らそうと
そうゃって生きていこうと決めた。

平和を守って
人が人を暴力的に支配したり、
奴隷にしたり、
存在を押しつぶしたり、
偏見に満ちたひどい扱いをしたり、
そういうことを地上から永遠になくそうと
がんばっている国々の集まりの中で
私たちは
胸を張れる仲間でありたい
そう思う。
そして
この世界の国の誰もが
一人の例外もなく
おそろしい目にあわず
貧しさから抜け出して
平和な日々を生きる権利を
持っているんだ
ということを
念のためにここで言っておく。


私たちの生命と人権を守り、日本で全ての法律の基礎となる大切な日本国憲法
詩訳に接し、胸の奥にすっと入ったような気がします。
憲法記念日を契機に、改めて日本国憲法の意義に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
なお、白井明大氏による日本国憲法の詳しい詩訳については、氏の著書『日本の憲法 最初の話』にあります。

 

こどもの読書週間「ひらいてとじた 笑顔がふえた」(校長室より No.5)

4月23日(日)~5月12日(金)までの約3週間は、「こどもの読書週間」です。

「こどもの読書週間」は、1959年(昭和34年)にはじまりました。
第1回は、日本書籍出版協会児童書部会が中心となって開催した「こども読書週間」(4月27日~5月10日)です。
この年は、ポスターではなくしおりを作成し、東京都内の書店やデパートで配布したと記録されています。

1959年11月に読進協が発足したので、翌1960年の第2回より、読書推進運動協議会が主催団体となり、名称を「こどもの読書週間」、期間を5月1日~14日(こどもの日を含む2週間)と定めました。
「こどもの読書週間」は2000年の「子ども読書年」を機に、現在の4月23日~5月12日の約3週間に期間を延長しました。
4月から5月にかけては、「国際子どもの本の日(4月2日)」「サン・ジョルディの日(4月23日)」などの記念日・関連イベントも多く、また、2001年12月に公布・施行の「子ども読書活動推進法」により4月23日が「子ども読書の日」となった影響もあって、「こどもの読書週間」は年々大きな盛りあがりをみせています。

2023年「第65回こどもの読書週間」の標語は、「ひらいてとじた 笑顔がふえた」です。
東中の図書室にも多くの新刊が配架されています。
以下に、おすすめの図書を紹介しますので、「こどもの読書週間」期間中に是非、読んでみてください。

〇マスクと黒板(濱野京子)
6月。コロナの休校開けの生徒たちを待っていたのでは、「コロナに負けるな!」のメッセージと見事な黒板アート。
こんなすごい絵、誰が描いたのか?美術部2年の立花輝も興味津々。
そんななか再開した学校は、今までと何もかも違う。
みんなマスクをつけ、ソーシャルディスタンスに気をつける毎日。文化祭も運動会もなくなるらしい。なんとなく味気ない日々を送るうち、輝は新しいクラスメイトの貴理・絵実・堅人らとあるイベントをやることに……
同じような経験をしたはずの全国の中学生に送る、コロナから「ふつう」をとりもどすための、輝たちがはじめたささやかな抵抗の物語!

〇ざんねんな偉人伝(真山知幸)
エジソン、野口英世、アインシュタインら、歴史を変え、時代を作った天才たち。
しかし、彼らの素顔は、失敗を繰り返し、トンデモ行動のオンパレードの超変わり者だった。
それでも、彼らが時代を超えて愛される理由とは?
驚きながら楽しく読める、新しい伝記。

〇君らしく働くミライへ(QuizKnock)
社会の多様化、テクノロジーの急発展、コロナ禍……etc.
職業や働く環境が激変する世の中で、何を職業にしてどう生きていくのか?
世の中の情報や価値観が目まぐるしく変化する時代に、未来の職業や働き方について考え、語るのは難しいことかもしれません。
また、「人生100年時代」と言われ、子どもたちだけでなく大人たちも常に迷いながら職業や働き方を模索しています。
しかしながら、そんな時代だからこそ、進みたい道や未来の可能性を自分で「思考し続けること」が大切です。
自分のことを知り、未来を見通す力を養い、「社会との関わり方」を見定めながら進んでいけば、将来「新しい価値を創造できる人」になれるかもしれません。
本書には、未来の職業について思考を深め、可能性を広げるためのヒントが、マンガや図解で分かりやすくガイドされています。

〇キミとはじまりの森(原作:朝倉未来、作:永田えほん)
格闘家・Youtuber・起業家・プロデューサーとして幅広く活躍中の朝倉未来氏が原案を手がけた、絵本形式の物語!
絵と文は、味わい深い画風が持ち味で、今作が絵本デビューの新鋭・永田えほん氏。
「仲間とは?」「優しさとは?」「強さとは?」……
朝倉氏が伝えたいメッセージが、魅力的なキャラクター、ストーリーで躍動します。
すべての漢字にふりがなつき。全世代に読んでほしい一冊です!!

 

Opus One(オーパス ワン)(校長室より No.4)

「Opus One(オーパス ワン)」
これは、音楽用語で「作品番号第1番」という意味を持ちます。
一般的には、カリフォルニア産のワインの名称の方がなじみがあるかもしれません。
オーパスワンワインは、現在アメリカワインの最高峰に君臨していると言ってもよいでしょう。
フランスワインとアメリカワインの融合。
このワインの命名をしたフランスのシャトームートンのオーナー、ロッチルト男爵は、「1本のワインは交響曲、1杯のグラスワインはメロディのようなものだ。」の考え方を元にこの名をつけました。
豊かな1杯1杯のグラスワインの奏でるメロディが集まっ完成した、深い味わいの交響曲。

以前、この話に触れたときに不思議と学校自体に思いをはせました。
つまり、一人一人の豊かな個性をメロディとすると、その集合体が交響曲としての優れた学校を創る。
そして、「作品番号第1番」は、まさに今のスタートの季節にふさわしい、と。
かけがえのない生徒一人一人の豊かな個性をさらに伸ばし、その集合体である学校自体の響き合いを高めていく、そして響き合いが更なる個性の伸長につながる、そんな学校を創りたいと考えています。
そのためにも、教職員一人一人の多様性を尊重し、その良さを最大限に発揮できるよう配慮していくつもりです。
今後も、生徒一人一人の豊かで多様な個性と可能性をしっかりと伸ばせるよう努力して参りますので、御支援・御協力のほど、よろしくお願いいたします。

1匹のネズミとの出会い(校長室より No.3)

「すべては、1匹のネズミとの出会いからはじまった」。
これは、有名なウォルト・ディズニーの言葉です。
まだ、名も売れず大変貧しい暮らしをしていた若きディズニーと1匹のネズミとの出会いが、ディズニーの人生そのものを変えていったのです。
ミッキーマウスという愛くるしいキャラクターが生まれた瞬間、それからすべてが始まり、ディズニーは全世界の子供たちをはじめ、老若男女を問わず、全ての人々を魅了してやまない多くの作品を、次から次へと生み出していきました。

「出会い」とは、何も人間だけとは限りません。1匹のネズミでもいいのです。1冊の本でもかまいません。
出会いには、夢と希望が宿っています。
人は、それぞれ生育環境が違うし、考え方や行動様式が各々異なります。
ゆえに、人の出会いとは新たな価値との遭遇でもあるのです。
ある人との出会いが古い自分を脱皮させ自分を新しく変えていく。
人は、出会いによって1つ成長するし、出会いは自分を高めるチャンスをはらんでいます。

真岡東中に新たに入学した1年生はもとより、それぞれ進級した2・3年生の皆さん、先生方を含めた新しい「出会い」によって、成長のきっかけをつかみ、自分を大いに高めてください。
東中生の皆さんの躍進を期待しています。

 

心意気と3つの約束(校長室より No.2)

一昨日、12日(水)に全校朝会を行いました。
コロナ禍が落ち着きつつ中、4年ぶりに全校生徒を体育館に集めての朝会となりました。
1学期スタートの生徒の頑張りをたたえた後、新たに定めた「3つの約束」と「スローガン」について、話をしました。
主な内容は以下のとおりです。


3つの約束とは、「時を守る 場を清める 礼を正す」のこと。
これは、明治、大正、昭和、平成までの4つの時代を生きた哲学者、教育者である、森信三先生が唱えた言葉である。この3つのどれもが人として生きていく上でとても大切なものであることから、多くの学校で行動規範として活用されている。
「時を守る」については、「遅刻をしない、期日を守る」ということ。
定刻までには準備を整え、きたるべき時に備えて心を静めて開始を待つ姿勢が大切。
本校では、2分前着席などがこれに当たる。また、決められた期日までに提出物を提出することも当てはまる。
時を守る先には必ず相手があり、自らが時を守ることで、相手を尊重することになる。
「場を清める」については、「整理整頓をして、しっかりと掃除を行う」ということ。
清掃を一生懸命行うと、気付く人になれる、心が磨かれる、謙虚になれる、感謝の心が芽生えるなど、様々な心の成長が見込まれる。
単なる身の回りの整理整頓や掃除であっても、他を敬い、奉仕の心につながる。
本校では、清掃の時間の取組やロッカー・教室の整理整頓などが当てはまる。
「礼を正す」については、「気持ちのよい挨拶や返事を行い、敬意を表すために服装や身だしなみを整える。」とういこと
挨拶には、「心を開いて、相手に迫る」という意味があり、挨拶をすることで人間関係は良好に保たれる。
また、服装や身だしなみを整えることは、相手に対する礼節につながる。
本校でも、気持ちのよい挨拶やきちんとした身だしなみは、当たり前のこととして求められている。
森信三先生の3つの約束、「時を守る 場を清める 礼を正す」は人としての基本であり、本気で守ろうと思えば、誰でも必ず守れるもの。
中学生のときに、人としての基本をしっかりと身に付けておけば、社会人になっても他人からの信頼を得ることができるはず。
今年度新たに定めた3つの約束、しっかりと守るようにしよう。

令和5年度、皆が1年間充実した学校生活が送れるよう、みんなで目指していけるスローガンを決めた。
それは、「心意気 ~東中PRIDE~」
「心意気」は、東中の校歌の冒頭にもあり、先輩方から連綿と受け継がれる東中の伝統とも言える言葉。
その意味は、「物事に積極的に取り組もうとする気構え。意気込み。強い意志。」のこと。
中学時代は心身共に大きく成長する時期で、皆さん一人一人が持つ、様々な可能性が大きく花開くときでもある。
しかし、自分がどんなことが得意で、どんな可能性を持っているのかは、なかなか分からない。
そこで、「心意気」を持っていろいろなことに挑戦し、自分の可能性を開花させてほしいという思いを、スローガンに込めた。
その際、大切なのは、東中生としての誇りを持って挑戦すること。
そこで、スローガンのサブタイトルに「東中PRIDE」の言葉を加えた。
「東中PRIDE」は、一人一人、各個人が頼りにするものであると同時に、皆で創り受け継いでいくもの。
皆の心のよりどころになる、すばらしい「東中PRIDE」を創っていこう。
「心意気 ~東中PRIDE~」のスローガンのもと、皆が自分の力で、可能性を扉を開き、次のステップに進んでいくことを期待している。


令和5年度、「3つの約束」と「心意気」で飛躍の年にしていきましょう!

 

歓迎、95名の新入生(校長室より No.1)

昨日、4月10日(月)に、真岡東中学校入学式を実施しました。
4年ぶりに、全校生徒を入れて実施することができ、生徒・職員全員で新入生を歓迎することができました。
校長式辞では、新入生に以下の3つのことをお願いしました。


1 当たり前のことが当たり前にできる生徒になってほしい。
朝は自分で起きられる。誰にでも大きな声で挨拶ができる。人の話をきちんと聴くことができる。自分を振り返り反省することができる。
どれも当たり前のことばかりだが、なかなかできないものである。
人として当たり前のことができるようになることが、中学校生活を豊かで楽しくする第一歩である。
本校で、今年新たに定めた3つの約束「時を守る 場を清める 礼を正す」を進んで守ってほしい。

2 一生懸命に勉強してほしい。
中学校での学習は、小学校とはずいぶん違い、内容が難しくなり、より考える力が求められるようになる。
また、授業も教科ごとに先生が違う教科担任制になり、さらに、小学校にはなかった中間テスト・期末テストがある。
そのため、予習や復習などの家庭学習も計画的に行うことが大切。
日々の努力を欠かさず、皆さん一人一人が三年間で確かな学力を身に付け、自らの進路を自分の力で切り拓いてほしい。

3 何かに本気で打ち込み友情を育んでほしい。
本校では、運動会やひがし野祭、駅伝フェスティバルなど様々な学校行事があり、大変盛り上がる。
また、皆さんが楽しみにしている部活動も盛んで、関東大会や全国大会に出場し活躍している。
学校行事や部活動で一番大切なことは、本気で取り組むことである。
仲間と一緒に本気で取り組めば、そこに確かな友情が生まれる。
共に何かを成し遂げ、そこから生まれてくる友情は、一生の宝物である。
中学校生活を通して、友情を育み、生涯の友とできる人を探してほしい。


新入生の皆さんが真岡東中学校の伝統である「心意気」をしっかりと受け継ぎ、中学校3年間で大きく成長されることを期待しています。

【校長室よりNo.145】人の温もりを教えて下さった皆様に心からの感謝をお伝えします

例年よりも早く咲いた桜も少しずつ散り始めました。一方、例年は4月に満開になる職員室前のしだれ桜が、まもなく満開を迎えようとしています。ご存じの通り、このたびの定期異動で、中村中学校に異動することとなりました。思い返せば、3年前、満開に咲き誇るしだれ桜の花を摘んだのが、真岡東中での最初の仕事でした。人なつこくて、行事に熱く、笑顔が素敵な東中の生徒たちとの3年間は、私の教員人生に、再現不可能なほどの多彩な彩りを与えてくれました。地域の方々や保護者の皆様にも、本当に温かく見守っていただき、様々な場面で「子ども」を主語にお話しできたことも、学校経営者としてこの上ない喜びでした。この三年間で、「人ってこんなにも温かいんだ。」と実感させてくれた皆様に、心から感謝しております。この「校長室より」も145号をもって閉じさせていただきます。学校は変われど、生徒たちの幸せを、いつまでもいつまでも見守っております。

【校長室より No.144】奏でる

3月25日(土)の午後に、吹奏楽部が「春のミニコンサート」を開催してくれました。多くの保護者の方々もご来校下さり、アットホームなコンサートとなりました。数々の偉大な功績を残してきた吹奏楽部の演奏は、心が込められており、まさしく音を「奏でる」演奏でした。桜の花が満開に咲き誇る春、素敵なコンサートに参加できたことをうれしく思います。

【校長室より No.143】努力は裏切らない

3月18日(土)19日(日)の二日間で、関東選抜卓球大会が行われ、栃木県代表として真岡東中女子卓球部が団体戦で出場しました。関東各都県の代表を勝ち取った強豪がそろった、緊張感のある大会でした。その中で、真岡東中は、予選リーグ3試合を全勝で勝ち上がり、決勝トーナメントに進出しました。いつも武道館に行くと、緊張感をもって練習に取り組んできた卓球部。努力は裏切らないことを身をもって経験したことと思います。夏の総体が楽しみです。

【校長室より No.142】心を育てる

学校教育の目的は、生きる力の育成です。生きる力には、学力だけでなく豊かな心や感性も含まれます。2年前から取り組んできた「読み聞かせ活動」を今年度も継続していただき、本日で今年度の活動が最後となりました。栃木県の民話の語り部や、東日本大震災に関連した絵本など、生徒達の学齢やその時々に合わせた内容の絵本を選び、生徒達に訴えかけるように読み聞かせをして下さりました。まさしく、「心を育てる」活動を展開して下さいました。朝のお忙しい時間、東中の生徒達のために学校においで下さり、心を込めて読み聞かせをして下さった方々に心から感謝いたします。

【校長室よりNo.141】人の温かさを教えてくれた卒業生

本日、第42回卒業式を無事に挙行することができました。多くの保護者の方々のご参加をいただき、式が始まる前から温かい雰囲気に包まれていました。校長式辞では、3年間過ごした生徒たちとの思い出がよみがえり、不覚にも声を詰まらせてしまいました。それでも、113名全ての卒業生に直接、卒業証書を手渡すことができたことを、心から嬉しく思います。たくさんの「ありがとう」がこだました卒業式の一日。卒業生を祝福するかのごとく、温かな夕日が校舎を照らしていました。夕日を見ながら、改めて113名の卒業生が幸せな人生を歩むことを心から願いました。

【校長室よりNo.140】母校を愛する心(合唱の伝統を引き継ぐ)

本日の5時間目に、卒業式で卒業生が歌う合唱を、1・2年生に聞かせる会がありました。これは、3年生の代表生徒たちが、東中の伝統である素晴らしい合唱の伝統を、後輩たちに引き継ごうと行われたものでした。この企画は、3年生が考えたものです。卒業式当日、在校生は教室でzoomにて視聴することとなります。思いのこもった生の合唱を聴いた在校生の心に、3年生の思いは確実につながったことと思います。

【校長室よりNo.139】新たな伝統

3月6日、卒業式の準備が行われました。昨年度から取り組んできた、「生徒たちが自分たちの力で作り上げる会場」の取り組みが定着し、会場準備にあたった2年生は、ゼッケンをつけたリーダーの生徒たちを中心に、手際よく、しかもきれいに会場を作り上げてくれました。自らが判断し行動する人を育成する取り組みが確実に成果となって現れています。新たな伝統を築き上げてくれた生徒たちに感謝します。

【校長室よりNo.138】厳しさを乗り越えて

2月も下旬となり、厳しい寒さも峠を越えたように感じます。校庭の桜もつぼみを膨らませ、開花する準備を着々と進めているようです。正門にあるバラの花も、保護者の方が冬に剪定して下さり、先日は「寒肥」といって花を咲かせるために必要な肥料を施して下さいました。冬の寒い時期を乗り越えたからこそ、私たちの心を和ませてくれる素敵な花を咲かせるのだろうと思います。そして、私たちも、心身ともに辛く厳しく感じるときもありますが、桜やバラのように今を乗り越えたら素敵な花を咲かせることができることを信じたいと思います。