校長室から
卒業式
3年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
本日の私の式辞を掲載しておきます。
式 辞
校庭に吹く風も暖かさを増し、春の訪れを感じる弥生のこの良き日、真岡市産業環境部長成毛純一(なるけじゅんいち)様を始め、多くのご来賓のみなさま、保護者のみなさまをお招きし、平成二十八年度物部中学校卒業式をかくも盛大に挙行できますことに、心よりお礼申し上げます。
ただ今、晴れて卒業証書を手にした 37名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。一人ひとりの凛々しく堂々とした姿に、九年間の義務教育を終え、自ら選択した新しい道へ旅立つ強い決意が感じられます。
卒業生のみなさんは、この物部中学校のリーダーとして、あらゆる行事の先頭に立ち、見事に本校の歴史と伝統をつないでくれました。特に、一、二年生とともに本気で取り組んだ運動会や文化祭では、見ているものに多くの感動を与えました。今年の運動会は、縦割りの紅白戦となり、3年生の強い統率力を必要としました。初めての試みにもかかわらず、あなたがたは見事その大役を果たし、「一生懸命は人を感動させる」そのことを我々大人に教えてくれました。合唱コンクールでの魂のこもった「親知らず子しらず」そして「走る川」。どちらの曲も、十数人での合唱とは思えない美しく力強い仕上がりとなりました。また、授業や部活動においても集中力と積極性にみちた豊かな時間を共有してくれました。
3年前に、小学校の先生方から、「この子たちは、心根の優しい子たちです」と、引き継ぎを受けました。心根が優しい、それはどういうことか、この3年間で我々教職員は、その意味を知りました。
さて、我々の人生の持ち時間を平均80年として、それを一日24時間に置き換え、生まれた日を午前零時とすると、あなたたち15歳は、人生時間の今何時頃にいると思いますか?ちなみに私は現在60歳。これを80:60=24:Xの比例式に当てはめると、私の人世時刻は現在午後6時。これから、夜のとばりのおちた時間の中を明かりを灯しながら進むことになります。さてみなさんの比例式80:15=24:Xの答えは、明け方の4時半になったばかりです。日の出前の4時半。みなさんは、まだ眠っていく時刻。これからもうすこし眠って、起きて、朝日を浴び、一日の活動をはじめよう、まさにそんな時刻です。夢に向かって胸膨らませ、何かを新たにはじめる。すべては「まさに」これからです。
ここで、朝4時半にいるみなさんへ、午後6時にいる私から、2つアドバイスをします。ひとつは「失敗をおそれずに」。失敗を恐れてなにもしないのは、ゼロのかけ算と一緒で答えはいつもゼロです。『本気』は周りを動かし『熱意』は不可能を可能にします。
もうひとつは「小さな目標を積み重ねることです。「夢」の実現には今このときの1つ1つの行動が連続しています。華やかな夢の実現の裏には実は地味で目立たない小さな努力が積み重なっているのです。ご家族をはじめ、あなたを支えてくれる多くの方々の応援を追い風に、大きく羽ばたいてください。みなさんが手にした「未来行き」のチケットは「あきらめない限り、いつまでも有効」です。
最後になりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業誠におめでとうございます。入学以来、さまざまなご心配やご苦労を経て、今日のこの日を迎えられたことと思います。教職員一同、これからも卒業生の成長を楽しみにしております。また、3年間本校教育にご支援ご協力を賜り、厚く感謝申し上げます。
それでは、卒業生一人一人が失敗を恐れず、地道な努力を積み重ね、それぞれの夢を実現させることを期待するとともに、みなさんの未来に「幸多かれ。」と心から願い、式辞といたします。
平成二十九年三月九日
真岡市立物部中学校長 岡 直美