校長室から
第1学期終業式式辞
いよいよ今日で1学期が終了します。授業、委員会活動や部活動などに本当に一生懸命取り組んでくれました。その皆さんの頑張りが「通信表」という形で、この後担任の先生から渡されます。私も90名全員の通信表を見させていただきました。
皆さんのよかったところ、あるいは、もっとがんばってほしいところが大変よく書かれています。皆さんも通信表を読む際には、担任の先生がどんな思いで書いたのか、担任の先生の顔を浮かべながら読んでください。
1年生、入学して4か月が経ちました。新しく始まった中学校生活はどうでしたか。2年生、中堅学年として、また、1年生のよき先輩として、その役割を果たせていますか。
3年生、まず運動部に所属している皆さん、3年間お疲れ様でした。野球部は24日からの北関東野球大会が最後になります。3年生の皆さん、本校の顔である最高学年としてどうでしたか。
それぞれに、課題はあったと思いますが、どの学年も成長の跡が見られ、心身ともにたくましくなっていることを嬉しく思います。
いよいよ明日から42日間の夏休みに入ります。夏休み早々に、真岡夏祭りの中学生御輿への参加や県総体陸上競技大会、水泳競技大会に参加する生徒がいます。自己ベストを目指し頑張ってほしいと思います。1学期終業式にあたり、私からは「命の大切さ」について話をします。
1つ目は、交通事故と水難事故には十分気を付けて、絶対事故に遭わないということです。今年度に入って、芳賀地区管内の小中学生の交通事故は4件報告されています。特に飛び出し、一時不停止による事故です。交通ルールをしっかり守り、絶対に交通事故を起こさないでください。
また、体育の授業で着衣水泳を各学年実施したかと思います。この二宮地区には、本校の東には小貝川、西には五行川と鬼怒川があります。暑いからといって川遊びをして、川底の急流に足を取られて水難事故に遭う可能性があります。十分気を付けてほしいと思います。
2つ目は、熱中症(感染症)対策です。この休みには、家族で、友だちと、出かけることが多くなるかと思います。しっかり対策をとった生活をして、自身の健康管理ができるようになってください。
2学期の始業式には、一段とたくましくなった皆さんと再会できることを楽しみにしています。以上で第1学期終業式の言葉といたします。
ここで、皆さんに2点、紹介いたします。
地域の野球クラブに所属している3年生のM・R さんが8月1日に開催されるエイジェックカップ第51回日本選手権大会の全国大会に出場します。
続いて、この後「壮行会」が開かれますが、吹奏楽部の皆さん、7月17日に行われた芳賀・真岡支部「吹奏楽祭」で演奏した「 静(せい)寂(じやく)と躍動 ~天竜川の船大工~ 」、長野県に流れる天竜川では、川のせせらぎ、鳥たちのさえずり、木々の葉ずれに合わせ、船大工が織り出す釘打ちの軽快なリズムが鳴り響くコントラストをイメージした作品だと聞いています。17日のホール演奏を聴き、その情景が目に浮かぶほど、立派な演奏でした。
7月26日に開催される栃木県吹奏楽コンクールでは、「静寂と躍動」「緩と急」の対比によって進む天竜川の自然と、船大工の職人が織り出す物語を完成させてください。ぜひ、「金賞」を目標にがんばってください。
栃木県民の日
6月15日は、栃木県民の日でした。今年は、県生誕150年を迎えました。本校でも各学級に、県民の日に関する内容の記事(PDF参照)を掲示しました。
また、同日に行われました「知事と語ろう!とちぎ元気フォーラム【ふるさと”とちぎ”の魅力と未来】」では、真岡市内の中学生の代表として本校の生徒会長さんが参加し、自分の考えを堂々と発表してきました。
尊徳太鼓の伝承
去る5月28日(日)、桜町陣屋跡の報徳田で田植え体験のイベントが行われました。機械化が進む中、手作業で苗を植えている姿を見て、懐かしさを感じました。
田植え体験が終了後、尊徳太鼓保存会の皆さんによる太鼓披露がありました。本校の生徒も3名が所属しており、太鼓を叩く勇姿を見せてくれました。
尊徳太鼓保存会の皆さんです。
保存会に所属する3年生3名です。
陣屋跡地に響き渡る太鼓の音色
このイベントに参加して、日本の伝統的な作業方法や、物部地区に伝わる伝統芸能の尊徳太鼓を未来に繋げようと活動している保存会の皆さんに敬意をするとともに、未来を担う子どもたちに、伝統を継承する大切さを伝えていかなければならないと感じさせてくれたイベントでした。
開校記念式典
皆さん、おはようございます。
本日は、28日に77回目の開校記念日を迎える本校の歴史の一部について、皆さんと一緒に振り返って見たいと思います。上級生は、昨年度も目にしたことと思いますが、薄れた記憶を呼び戻してください。
物部中学校の開校記念日は4月28日です。それは物部中学校が、昭和22年、1947年、4月28日、学制改革により開校したからです。学制改革とは、戦後に行われた「六・三・三・四制」への改革のことで、それに合わせて、物部中学校が誕生しスタートしました。そのときの校名は、「物部村立物部中学校」です。
創立2年後に新校舎が完成しましたが、今の校舎とは違う木造平屋建ての校舎でした。この写真は、創立6年後、昭和28年、1953年の校舎の様子です。場所は、今の物部中があるところと同じですが、周りの様子はかなり変わりましたね。
この後は、物部中の歴史を年代順に振り返ってみたいと思います。前庭にある二宮尊徳像ですが、創立からわずか6年後の昭和28年、1953年、3月13日に建立されました。物部地区は二宮尊徳先生ゆかりの地であり、その教えは今でも地区内に息づいています。
昭和29年、1954年、5月3日には、町制施行により二宮町が誕生し、校名も二宮町立物部中学校に変更となりました。当時の看板が放送室わきの職員玄関のところにありますので、ぜひ見てください。
昭和30年、1955年、9月24日には、作詞・羽石五百里さん、作曲・鈴木満雄さんによって校歌が制定されました。
昭和39年、1964年、9月24日には、校舎南側にフランス式庭園が完成しました。フランス式庭園は、左右対称になるように池や植栽を幾(き)何(か)学(がく)的(てき)に配置しているのが特徴です。有名な所で言うと、フランスのヴェルサイユ宮殿の庭園がこの手法の庭園で有名です。真岡市内の学校でこのような庭園を持っているところは、ほとんどありません。
次に部活動での先輩方の活躍を振り返って見ましょう。昭和48年、1973年には、ソフトボール部が県大会で優勝しています。現在は、ソフトボール部はありませんが、プールのわきに当時使用していたバックネットやベンチがあります。そして、野球部。昭和52年、1977年に、北関東大会で優勝を飾ってます。部活動については、この後また出てきますので期待してください。
昭和53年、1978年、3月28日には、新校舎が完成します。色は多少違いますが、まさに、今、皆さんが使用している校舎ですね。左右対称のシンメトリー構造の鉄筋コンクリート3階建て校舎です。保護者の方の多くも、この校舎で学ばれたことと思います。
校訓「まこと」「至誠・勤労・分度・推譲」が定められたのは、昭和59年、1984年、4月28日の開校記念日のことです。この校訓は、二宮尊徳先生の教えでもあり、とても大切な言葉です。みんなでこれからも取り組んでいきましょう。
平成15年には、県駅伝競走大会で、女子が4位入賞を果たします。既に生徒数は、少なくなっていましたが、特設部として活躍してくれました。一昨日は、陸上競技大会があります。学校の代表として頑張ってきてください。
そして、今から15年前の平成21年3月23日に真岡市と二宮町が合併したことにより、校名が今と同じ真岡市立物部中学校となりました。
平成25年から26年にかけて、耐震化と外壁の工事が行われ、外観も今の校舎と同じになりました。
平成27年には、バレーボール部が県総体で準優勝を飾り、見事関東大会出場を果たしました。この時、部員わずか6名で戦い抜いたこと、一人でも欠けたら試合に出場できない中、精神力・責任感の強い生徒たちだったと思います。
翌年の平成28年には、吹奏楽部が栃木県学校音楽祭中央祭の合奏の部で準大賞、県で2位の学校に入りました。やはり、部員数が少ない中での演奏でも、聴いている人たちに感動を与えた演奏だったと思います。
ここで、この物部地区に目を向けて見ます。この建物は皆さん分かりますよね。桜町陣屋跡ですね。二宮尊徳先生が外から戻った時に、足を洗った足洗池、二宮神社、二宮尊徳資料館。
次に、ここはどこですか。高田山 専修寺(せんじゅじ)ですね。つぎの建物は如来堂(にょらいどう)ここには一光三尊仏(いっこうさんぞんぶつ)が安置されています。阿弥陀如来様を中央に、両脇を菩薩立つご本尊(ほんぞん)です。17年ごとにご開帳されるそうです。次は、鐘楼堂(しょうろうどう)です。この鐘を突いた人はいますか。次の建物は御影堂(みえいどう)です。ここに、親鸞聖人像が安置されています。最後に涅槃像(ねはんぞう)です。木造金箔の釈迦涅槃像(しゃかねはんぞう)では日本一ともいわれています。この専修寺は親鸞聖人がこの高田を訪れ、教えを受けた門弟によって立てられた寺とされています。専修寺の建物等は国や県の重要文化財に指定されています。
ここまで、物部中の歴史と郷土の名所二つについて簡単に話をしました。77年目を迎えるにあたり、未来を切り拓く力(学力・人間力)を身に付け、ふるさと物部に貢献できる生徒を目指し、全校生徒90名、力を合わせて最高の物部中学校にしていきましょう。
入学式式辞
花々が美しく咲き誇り、新入生の皆さんをお祝いしているかのようです。このような風光る良き日に、令和五年度物部中学校入学式を挙行できますことを、心から感謝申し上げます。
さて、伝統ある物部中学校に入学された三十名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんが入学されるのを在校生、職員一同心待ちにしていました。そして、保護者の皆様、お子様の大きく成長された姿に喜びもひとしおかと存じます。本当におめでとうございます。
先ほどの新入生呼名の元気ある返事に、これから始まる中学校生活三年間への意気込みが感じられ、たいへん嬉しく思いました。
新入生の皆さんは、本日より物部中学校の生徒となりました。私たちは皆さんが充実した中学校生活が送れるよう、全力で応援しますので、どうぞ安心して中学校生活をスタートさせてください。
さて、これから新しい生活を始める皆さんに、私から二つのお願いがあります。
一つ目は、「早く中学校生活に慣れて欲しい」ということです。教科ごとに先生が変わりますが、基礎的・基本的な知識・技能を身に付け、自分自身の学力を向上させてください。また、部活動や生徒会活動、運動会や文化祭などの学校行事は、生徒たちの力で行われます。三年生が中心に皆さんを導いてくれます。自分から進んで行事や部活動に参加し、自分のもてる力を大いに伸ばしてください。小学校に比べて学校が遠くなった人もいるかと思います。交通安全に気を付けて毎日元気に登校しましょう。
二つ目は、自分と周りの人の存在を大切にしてほしいということです。
皆さんに次の言葉を紹介します。「リスペクトアザース」。
リスペクトとは「尊敬する」「大切に思う」「敬意を払う」という意味です。そして、アザースとは「自分以外の人、もの」という意味です。この二つを合わせて「自分以外の人やものを大切に思いましょう」ということになります。
私たちの周りには、いろいろな人がいます。趣味や得意・不得意なことも違います。みんなが自分と同じとは限りません。様々な特性・特徴のある人たちで成り立っているのが社会であり学校です。相手の立場を理解しようとせず、自分の都合で判断してしまうことはないでしょうか。それでは、自分の周りの人や物を乱暴に扱う自分勝手な人になってしまいます。大事なことは、自分との違いに気づき、その人の立場になって考えることです。周囲の人を大切に思うことは、自分が周りの人から大切な存在として認められることにつながります。ぜひ、この「リスペクトアザース」を心にとめ、学校生活を送ってください。
保護者の皆様、改めてお子様のご入学、誠におめでとうございます。本日より、本校教職員で未来を担う子供たちを、責任をもってお預かりします。保護者の皆様方におかれましては、本校の教育にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんが二宮尊徳先生の「積小為大」の言葉を胸に、中学校三年間で大きく成長することを期待し、式辞といたします。
令和5年4月10日