校長室から
挑戦
昨日、12月7日(月)、プロ野球12球団合同トライアウトが実施されました。
合同トライアウトとは、戦力外となった自由契約選手の中から、引退ではなく現役続行を希望する選手を集め、一斉に行う入団テストのことです。
驚いたことに、そこに新庄剛志選手の名前がありました。
1990年に阪神タイガースでプロデビュー、以後、アメリカ大リーグのメッツやジャイアンツでプレーし、最後は日本ハムファイターズに復帰して優勝に導くなど、1990年代~2000年代を代表する名選手です。
また、ファンへのサービス精神も旺盛で、グラウンド内外の様々なパフォーマンスが「新庄劇場」と称されるなど、華のあるスター選手でした。
その新庄選手が、約1年前に突然、「みんな、夢はあるかい? 1%の可能性があれば、必ずできる。きょうからトレーニングを始めて、もう一回、プロ野球選手になろうと思います。みんなも何か挑戦しようぜ」と宣言し、有言実行、プロ復帰を目指し今年の合同トライアウトに参加したのです。
結果は、4打数1安打と大健闘。その動きからは1年間相当のトレーニングを積んできたことがうかがえます。
とても一度引退して14年のブランクがあるとは思えない、体のキレでした。
トライアウト終了後、6日以内にオファーがこなければプロ野球選手にはなれません。
毎年、受験者の中からオファーが来るのは数%と、とても厳しい世界です。
しかし、結果はどうあれ、48歳にして再び夢を持ち、挑戦したこと自体が多くの人に勇気を与えたはずです。
ピークをとうに過ぎ、みんなが無理だという中での挑戦、しかし、それでも頑張る姿が人々の背中を押すのだと思います。
SNSなどには、新庄選手の挑戦から勇気をもらった人のお礼の言葉や、オファーが来ることを祈る応援メッセージがあふれています。
人生に遅すぎるということはありません。
ましてや中学生ならば、これからが人生の本舞台。
若さと可能性あふれる物中生の、積極果敢な挑戦を楽しみにしています。
最後に、あるジャーナリストの方が今回の新庄選手の挑戦を次のように評していました。
「衝(つ)き動かされるようにバットを振る新庄選手の姿には、誰もが野球を始めた日に放ったであろう新鮮なきらめきが満ちていました。」