校長室より
11月校長講話「ハンセン病患者及び元患者の問題について」(校長室より)
本日、11月の校長講話を行いました。
感染防止対策のために、今回も校長室からのオンライン配信の形で行いました。
一刻も早くコロナ禍が収束し、全校生徒が一堂に会することができる「当たり前の日常」が戻ってくることを、切に願っています。
講話の前半は、西輝が丘祭の成功や運動・文化面での活躍などを振り返り、更なる飛躍をお願いしました。
後半は、1か月後に迫った「人権週間」に向けて、様々な人権問題の中から「ハンセン病患者及び元患者」の話を取り上げ意識づけを図りました。主な内容は以下の通りです。
来月12月4日(日)から10日(土)までの1週間は、人権週間である。
1948年(昭和23年)12月10日の国連総会で、「すべての人間は生まれながらにして自由であり、尊厳と権利とについて平等であること」などを示した「世界人権宣言」が採択され、そのことを記念して、日本では12月10日を最終日とする1週間を人権週間と定め、人権尊重思想の普及高揚に努めてきた。
しかし、現在も依然として多くの人権問題があり、偏見や差別に苦しんでいる人が大勢いる。
今回は、様々な人権問題の中から「ハンセン病患者及び元患者」の問題を取り上げる。
【ハンセン病について】
ハンセン病は、らい菌という細菌による感染症で、治療法がなかった時代には、病気の進行により運動麻痺や知覚麻痺、視覚障害、体の一部の変形などの症状が出ることがあった。
しかし、現在では治療法も確立し、早期発見と適切な治療により後遺症も残らない。
【ハンセン病への偏見や差別】
医療や病気への理解が乏しい時代には、その外見や感染への恐怖心などから、ハンセン病患者への過剰な偏見や差別があった。
しかし、現在でも、ハンセン病に対する正しい知識と理解はいまだ十分とは言えず、ハンセン病の患者・元患者やその家族が、周囲の人々の誤った知識や偏見等によって、日常生活、職場、医療現場等で差別やプライバシー侵害等を受けている。
【ハンセン病の悲しい歴史】
19世紀後半、ハンセン病はコレラやペストなどと同じようにとても恐ろしい伝染病であると考えられていた。
1931年(昭和6年)に全てのハンセン病患者の隔離を目指した「癩(らい)予防法」が成立し、国を挙げての隔離政策が進められた。
いったん療養所に入所すると一生そこから出られないだけでなく、遺骨すらも実家のお墓に入ることがかなわず、療養所の納骨堂に納められた。
その後、医学の発展に伴い1946年(昭和21年)には特効薬も完成し、ハンセン病は治る病気となったにも関わらず、1953年(昭和28年)に新たな「らい予防法」が定められ、患者の強制収容が続けられた。
国の誤った強制隔離政策である「らい予防法」は、1996年にようやく廃止された。
しかし、療養所から自由に出られるようになっても、入所時に家族に迷惑が及ぶことを心配して本名や戸籍を捨てたことや、根強く残る偏見や差別などにより、故郷に帰れない人が数多くいる。
人権は、だれにとっても身近で大切なものであり、必ず守られるべきものである。
しかし、私たちの心の中には、自分とは違う一面を持つ人を差別する気持ちが入り込んでくることがあり、その弱い気持ちに負けないためには、人権感覚を磨き続けなければならない。
自分の心に偏見の芽はないか、みんなと違うという理由だけで排除や差別をしていないか、弱い立場の人をいじめていないかなど、常に自分自身を厳しく見つめることが大切である。
世界大戦など20世紀までの反省の上に立ち、21世紀を全ての人の人権が尊重され、幸福が実現する時代にしたいとの願いを込めて「21世紀は『人権の世紀』である」とされてきた。
しかし、国家間の戦争や繰り返されるテロ、未だに解決されない様々な人権問題など、人権の世紀が実現したとは言い難い現状がある。
我々大人はもちろん、これから21世紀を支えていく皆さんも一緒になって人権感覚を磨き、21世紀を全ての人の人権が尊重され、幸福が実現する時代にしていこう。
県駅伝競走大会 -西中魂でつないだたすきー(校長室より)
先週5日(土)に、那須野が原公園で県駅伝競走大会が開催されました。
本校からは、厳しい予選を勝ち抜いた女子が万全の状態で出場しました。
結果は18位と入賞はなりませんでしたが、多くの選手が自己ベストを更新し、合計タイムも昨年を大きく上回りまわるなど、大健闘でした。
みんなの思いがこもったたすきをつなごうと、必死で前を追う姿に感動しました。
3年生だけで構成された5人のチームのまとまりは、参加30チームの中でNo.1だったと思います。
長距離の練習は本当にきついものがあり、今まで困難の連続だったと思いますが、よく頑張りました。
地区大会、県大会と「西中魂」で体現してくれた選手の皆さんに心から拍手を送りたいと思います。
そして、今回の経験を飛躍へのステップにしてください。
また、今回スタッフとしてチームを支えてくれた1・2年生、お疲れさまでした。
いよいよ来年は君たちの番です。
先輩からのたすきをしっかりと引継ぎ、更なる飛躍を期待しています。
誰もが輝ける未来へ(校長室より)
国内最大の障害者スポーツの祭典、第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」が、10月31日に幕を下ろしました。
私は、29・30日の2日間、卓球競技(STT含む)のお手伝いに行ってきました。
自身の競技経験や部活動指導などで長く卓球に関わってきましたが、障害者の方の卓球は拝見する機会がなく、今回が初めてとなりました。
競技は、表彰区分、障害区分、年齢区分によって細かく分けれており、おおむね3・4人のリーグ戦で優勝を争う形式でした。
視覚障害者のためのSTT(サウンドテーブルテニス)は、音が出るボールを転がして勝敗を競う競技ですが、余計な音が入らないよう1部屋に1台だけ台を置き、観客はモニターで観戦するという方法でした。
どの試合も健常者の大会と変わらない熱戦が繰り広げられるなど、今大会にかける選手の熱い意気込みを感じました。
応援にも相当熱が入っていましたが、1か月前に行われた国体会場との一番の違いは、応援する方々のまなざしに慈愛に満ちた温かさが感じられたことです。
障害に負けず必死のプレーを続ける選手たち、それを優しくも叱咤激励する家族・関係者等の応援、すばらしい光景でした。
障害の有無に関わらず誰もが活躍できる「共生社会」の実現を掲げた今大会ですが、その達成のためには障害者本人及び家族・支援団体等の関係者のみの努力では限界があります。
障害をもたない人を含め、全ての人々が共に生きる社会を本気で目指すことが何よりも重要となります。
そのために、まず何らかの行動を起こすことが大切です。
今大会では多くのボランティアの方々が運営を支えていましたが、その方々自身、きっと大きな気付きがあったことと思います。
私もその一人です。
「愛の反対は憎しみではない。無関心だ。」マザー・テレサ
子供たちの教育に携わる一人として、今後も共生社会・「誰もが輝ける未来」の実現に向けて、全力を尽くそうと思います。
西輝が丘祭 大団円(校長室より)
先週22日(土)に、令和4年度「西輝が丘祭」を実施しました。
コロナ禍の中での実施ということもあり、学年展示や売店、バザー等を中止し、入場者についても生徒1人につき保護者2名以内とさせていただきました。
代わりに、昨年同様オンライン配信を実施したところ、多くの保護者の皆様に御視聴いただき、大変うれしく思います。
制約が多い中での西輝が丘祭でしたが、生徒たちは例年にも増して熱心に取り組み、多くの感動を届けてくれました。
自分の思いを堂々と述べた個人発表、学級の団結力と1年分の成長を示した合唱コンクール、東関東出場を勝ち取った吹奏楽部の演奏、そして生徒全員が盛り上がった生徒会イベントなど、生徒会役員を中心に生徒の主体性が存分に発揮されたすばらしいイベントとなりました。
コロナ禍の中、「絆 ~ともに響かせよう 心のメロディ~」をメインテーマとした西輝が丘祭は、笑顔、涙、思いやり、感動、絆などが宝石のようにちりばめられ、生徒にとって貴重な成長の場になったと信じています。
西輝が丘祭で一回り大きくなった西中は、コロナ禍に負けずこれからも新たな歴史を刻み続けます。
応援、よろしくお願いいたします。
合唱コンクールに向けて-指揮者の熱い思い-(校長室より)
西輝が丘祭まで一週間を切り、合唱コンクールの練習にも一層熱が入ってきました。
当初、不安定だった音程も徐々にそろいはじめ、日増しにハーモニーも美しくなってきています。
本番まで残り僅かですが、最後の頑張りがきっと勝敗を左右します。
指揮者やパートリーダーを中心に一致団結していきましょう。
各学級の指揮者の合唱コンクールにかける熱い思いは、以下のとおりです。
1年1組 指揮者:S.M 合唱曲:大切なもの
クラス一丸となって、ソプラノもアルトも元気よく声を出し。最高の合唱にしたいです。ピアノともテンポを合わせられるように努力したいです。指揮者として責任をもち、クラスをまとめられるようにします。
1年2組 指揮者:K.I 合唱曲:旅立ちの時
この合唱コンクールの抱負は、“失敗を恐れない、勝利にこだわらない”ということです。失敗を恐れて本気を出さないことは、一番つまらないことです。それに達成感もありません。合唱は勝利が全てではありません。たとえ負けてしまったとしても、全員が本気で一心になって取り組めば、それは良い合唱と言えると思います。
1年3組 指揮者:H.M&R.U 合唱曲:HEIWAの鐘
この曲に対して、明るく元気に歌いたいです。また、クラスで三冠を取り、完全優勝を目指したいです。このイベントを通して、クラスの団結力を高めていきたいです。
2年1組 指揮者:S.K 合唱曲:時を越えて
私が指揮者に選ばれたとき、頭に浮かんだのは昨年指揮をしていた生徒です。その指揮者全員が、体で表現し、合唱の中心となって指揮を振っていました。「私もそのようになりたい。」と思いました。毎日しっかり練習をし、クラスをまとめて、中心となれるように頑張りたいです。そして、2年1組を優勝に導くような指揮をしたいです。
2年2組 指揮者:Y.F 合唱曲:心の瞳
指揮者として、本番までしっかりとクラスをまとめ、引っ張っていき、この2-2で優勝したいです。西輝が丘祭を2-2で一番の思い出にしたいです。そして、会場の皆さんに感動を与えられるように頑張ります。
2年3組 指揮者:K.F 合唱曲:輝くために
私は、2年連続で指揮者になりました。去年は、初めてでしたが、クラスのみんなやピアノ伴奏者と協力して、優勝することができました。今年は、去年と変わる拍子があるので、そこに注意しながら振りたいと思います。思い出に残るようなコンクールにしたいです。
3年1組 指揮者:M.I 合唱曲:証
中学校生活最後の合唱コンクール。泣いても笑ってもこれが最後なので悔いが残らないような楽しい合唱にしたいです。そして、クラス一丸となって最優秀賞を目指して頑張ります。
3年2組 指揮者:S.K 合唱曲:あなたへ
私は3年連続でクラス合唱の指揮者を担当することになりました。3年2組というクラスは、とても元気が良いクラスなので、それを合唱にも生かして、最高の合唱をつくっていきたいと思います。
3年3組 指揮者:T.F 合唱曲:ヒカリ
クラスのみんなと一致団結して、曲の表現などを工夫してきました。中学校生活最後の合唱コンクールとなるので、クラス全員が一心一体となって頑張りたいです。
西輝が丘祭まで3週間(校長室より)
いよいよ10月になり、西輝が丘祭まで3週間となりました。
新型コロナウイルスの影響で、昨年同様規模を縮小して行うことになりますが、生徒たちは当日のメインイベントとなる合唱コンクールに向けて、練習も熱を帯びてきました。
各学級の進み具合はいかがでしょうか。
自分のパートの音取りから始まって、最後に合唱の醍醐味である「他のパートとの音の重なりや響きの美しさ」にまで到達るるのは容易ではないと思います。
しかし、「西中魂」を胸に「挑戦」する気持ちを忘れず、学級が団結できれば、きっと昨年以上の合唱になるはずです。
心を一つに、最も団結した学級がナンバーワンとなるでしょう。
来週からは、昼休みや放課後(西中タイム)の練習も始まります。
果たして、今年栄冠を手にするのはどの学級でしょうか。
合唱コンクール本番までの間、生徒の皆さんの成長を大いに期待しています。
なお、合唱曲は以下のとおりです。また、図書室前には合唱の特設コナーがあります。ぜひ利用してください。
おめでとう!日本学生科学賞栃木県展覧会最優秀賞(知事賞)受賞(校長室より)
本校の3学年生徒2人が応募した「日本学生科学賞栃木県展覧会」において、
見事、最優秀賞(知事賞)を受賞しました。
知事賞は県1位の証であり、本校創立以来の快挙です。
2人は、昨年度の冬に県理科展展覧会に応募した「水底コップの研究」で十分に解明できなかった謎について、夏休みを中心に研究を進めました。
その結果、研究が大幅に深まり、今回の栄えある受賞につながりました。
2人のあくなく探究心が、西中33年の歴史に輝かしい新たな1ページを加えてくれました。
校長として、こんなにうれしいことはありません。
本当におめでとうございます!
今後、2人の作品は日本学生科学賞の本選、全国展覧会の中央予備審査に進むことになります。
予備審査を上位で通過すると、12月に行われる中央最終審査で東京に行って発表することになります。
吉報を待ちたいと思います。
郡市新人陸上競技大会ー更なる高みを目指してー(校長室より)
先週、9月22日(木)、台風で延期となった郡市新人陸上競技大会が晴天の下で行われました。
3年生が抜け、新たに多くのメンバーが加わった新生西中特設陸上部、選手一人一人が自己ベスト更新を目指して躍動しました。
結果は、男子総合8位、女子総合7位 男女総合7位と、総体陸上よりはやや成績を落としましたが、練習時間が十分でない中、大健闘だったと思います。
個人でも、2年男子走り高跳び1位、1年女子砲丸投げ1・3位、2年女子砲丸投げ2位を初めとして好成績を収め、県大会にも複数名の選手が出場予定です。
また、成績だけでなく、応援や係の仕事にも一生懸命にも取り組む姿は、大変立派でした。
まさに、西中のスローガン「挑戦 ~夢を志に~」を体現してくれました。
しかし、西中生の底力はこんなものではありません。10月には各部の新人大会や郡市駅伝競走大会が控えています。
「西中魂」を胸に、更なる高みを目指して飛躍してほしいと思います。
朝練のために早起きして準備をしてくださった保護者の皆様、大会当日応援に駆けつけてくれた保護者の皆様、本当にありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。
なお、大会での奮闘の様子は、後日保護者向けのページにアップさせていただきます。楽しみにお待ちください。
千葉に響いた「繭の夢」銀賞おめでとう!(校長室より)
本日、東関東吹奏楽コンクールが千葉県文化会館で行われました。念願の初出場を果たした西中吹奏楽部。その応援に学校を代表して行ってきました。
後半の部(午後)の5番目の演奏でしたが、とても勢いのあるすばらしい演奏でした。
「繭の夢 龍の舞う空」の曲名どおり、千葉の天空を舞う龍が見えるようで感動しました。
特に3年生の堂々とした気迫あふれる態度に「西中魂」を感じるとともに、新たな伝統の始まりを予感しました。
本校のスローガン「挑戦ー夢を志にー」を体現した吹奏楽部の皆さんに心から拍手を送りたいと思います。
追伸 18:30表彰式終了の連絡がありました。見事銀賞獲得です!おめでとうございます!
中秋の名月(校長室より)
9月12日 中秋の名月(校長室より)
一昨日9月10日(土)は、「中秋の名月」でした。
中秋の名月とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指します。
中秋の名月を愛でる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。
今年の中秋の名月は満月と同じ日ですが、実は、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こります。
今年と来年は満月ですが、2年後の2024年は、中秋の名月が9月17日、満月が9月18日と日付がずれます。
来年以降だと中秋の名月が満月になるのは、2030年になります。
これは、中秋の名月は太陰太陽暦の日付(新月からの日数)で決まるのに対して、満月は、太陽、地球、月の位置関係で決まるからです。
月の公転軌道が楕円形であり、新月から満月までにかかる日数が13.9日から15.6日と大きく変化するためです。
ところで、月は季節にかかわらずいつでも見られるのに、なぜ昔から秋の月は美しいといわれるのでしょうか。
それは、秋の空気と月の適度な高さが関係しています。
秋の空気は、水分量が春や夏に比べて少なく乾燥しているため、澄んだ空気が月をくっきりと夜空に映し出します。
また、月は冬に近づくほど空の高い位置を通り、夏は低い位置を通ります。
近い方がよく見えますが、春は地上の埃などで月本来の明るさが霞んでしまいます。
そのため、空気の水分量、大気の状況や月の高さなど、月が最も美しく見える条件が揃う秋こそ、月見にふさわしいと言われてきたました。
いずれにしても、天候にも恵まれ、見事な「中秋の名月」を満喫することができました。
見逃した生徒の皆さんのために、写真を撮っておきました。
2022年9月10日 21時 真岡市東前公園にて