校長室から
修学旅行帰校式 校長の話(生き方)
出発前の3S、しっかりできました。
1つめのS(セーフティー:安全)について、大変よくでき
ました。安全・安心な修学旅行になりました。本校の3つ
の約束「時を守り 場を清め 礼を正す」ができたからで
す。皆さんに感謝します。
2つめのS (スタディ:学習)については、実際に日本文
化に触れ、今後の生き方に役立てられるかによって決まり
ます。事前指導の話で、金剛力士像の話をしました。実際
に見て、どう感じたでしょうか。大仏も大きかったですね。
しかし、「大きかった」で終わってしまうのではなく、鎌
倉時代の人が「なぜ大きな大仏や力士像を作ったのか」考
えてみてください。また、3日目に見学した二条城は大政
奉還が行われた場所。実際に見て何を思ったでしょうか。
大政奉還によって時代は大きく動き、明治維新となりまし
た。それを成し遂げた人たちに思いをはせてほしい。志を
もって時代を駆け抜けた人から学んでほしい。興味がわい
たら今、NHKで放送している大河ドラマ「西郷どん」を見
てください。2日目の晩に鑑賞体験した「舞妓さん」。皆
さんは「きれい、かわいい」と感嘆の言葉を口にしていま
した。「なぜ、かわいい、きれいなのでしょうか。」私は、
舞妓さん『とし七菜(なな)』さんが、中学校の修学旅行で
舞妓さんに出会い、志をもって舞妓の世界に飛び込み、厳
しい稽古を通して自分を磨いているからだと思います。志
がもてる生き方をしてほしい思います。実際の物を見て、
考え、気づく、そんな修学旅行になることを期待します。
最後になりましたが、3つめのS(ソフトハート:やわら
かい心)について、全員参加で、皆さんの明るい笑顔がたく
さん見ることができ、すばらしい学年の絆ができたと思い
ます。偶然にも同じ地に生まれたことに感謝しましょう。
すばらしい3日間でした。
0
修学旅行前の3年生への話(生き方)
明日、楽しみにしていた修学旅行に出発します。天気は大丈夫なよう
ですが、気温は高くなります。京都は盆地なので、朝晩は寒く、昼間は
暑くなります。楽しい旅行にするには体調管理が大切です。今日は早く
寝ましょう。
皆さんは京都・奈良に行ったことがありますか?私は13回目の京都
・奈良の旅になりますが、10年ぶりくらいになります。久しぶりに行
く楽しみと、教員生活最後に私が大好きな物部中の君たちと行けること
が楽しみです。
しかし、ただ楽しかったではダメです。例えば、「どこに行ってきた
の?」「何か古いお寺に行ってきた」とか、「どんなことが楽しかった
の?」「鹿にせんべいをあげたこと」「ソフトクリームを食べたこと」
「旅館でみんなで騒いだこと」、これでは中学生として寂しいですね。
修学旅行の目的は、『日本の古い文化に触れる体験を通して、学校で学
んだことを充実発展させること』です。
私が楽しみにしているのは、東大寺の南大門の金剛力士立像を見るこ
とです。初めて見たのは中学生のときの修学旅行です。力強さ、大きさ、
その迫力に圧倒されました。そして興味をもち、テレビのNHK特集や書
籍でいろいろなことを知り、ますます興味がわきました。その後、昭和
の終わりから平成になる頃にかけて解体修理が行われました。鎌倉時代
の「運慶」「快慶」という仏師の作と言われていましたが、解体したと
ころ4人の仏師の名前が記されたものが出てきて、「運慶」「快慶」の
他に、運慶の息子の「湛慶」と運慶らが属する集まりの中の腕利きの仏
師「定覚」も加わっていたことが分かってきました。20人で、70日かかっ
て、山口県の木材を使ってつくられていることも分かりました。また、複数
の木材を束ねた「寄木造り」になっています。1度完成して立てたところ、
顔の向きが下から見上げる人の方に向いていないことがわかり、もう1度
やり直したそうです。
皆さんも、何かに興味がもつことができて、知識が広がることを期待して
います。
最後に、楽しい思い出にするために、3日間を安全な旅にして、元気
にもどってきましょう。また、友だちに対して思いやりをもって、共に
協力し合ってよりよい人間関係をつくってほしいと思います。そのため
には、本校の3つ約束、「時を守り、場を清め、礼を正す」を守りましょ
う。修学旅行のキーワードは3S(スリーエス)です。「S:安全(セーフ
ティー)」「S:学習(スタディー)」「S:やわらかい心=思いやり(ソ
フトハート)」です。それでは、楽しい3日間になることを願っています。
0
5月の朝会講話「積小為大」(生き方)
20年くらい前に野球部保護者会で設置 昭和28年3月13日少年期の像完成除幕式を行う
現在66歳
今月の朝会講話は、二宮尊徳先生が唱えた『積小為大』について話を
しました。
二宮尊徳(金次郎)先生は神奈川県小田原市生まれ。農政課・思想家。
1823年から1848年の26年間、物部の地で農村復興に努めた。
豊かな農家にうまれたが、何度も酒匂川(さかわがわ)の氾濫で田畑が
流され、家は没落し、過労によって両親は亡くなる。兄弟ばらばらに親
戚の家に預けられた。
1803年(16歳)のときに「積小為大」を開眼。毎日勉強していた
金次郎は、読書をするための油代を稼ぐために荒地に菜種を植え、たった
一握りの菜種から7~8升の取り入れになった経験や、捨て苗を荒地で丹
精込めて育てて、秋には一俵のもみを収穫したことにより、自然の恵みと
人の力のすばらしさを知るとともに、小さな努力の積み重ねが大切(積小
為大)だと学び、これが後の行いや考え方のもとになった。
積小為大の意味
小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結びつく。小事を
おろそかにしていて、大事をなすことはできない。
二宮尊徳先生の言葉
『大事を成さんと欲する者は、まず小事を務むべし。大事を成さんと欲し
て小事を怠り、その成り難きを憂いて、成り易きを務めざる者は、小人の
常なり。それ小を積めば大となる。』
成功するためには、「ひたすら」「こつこつ」「地道に」と継続できる
どうかにかかっている。できない理由を考えるも、できる方法を考えよ
う。「継続は力なり」と覚悟を決めましょう。自分の信念に従いつつ、冷
静かつ的確に状況を判断し、着実に歩を進める人でありたい。
〈イチローの言葉〉
「夢や目標を達成するためには1つしか方法はない。小さなことを積み
重ねること。」
「小さなことを重ねることがとんでもないところにいくただ1つの道で
ある。」
0
4月の朝会講話「自ら学ぶ人」(確かな学力)
中学校段階での学力は多くの部分は「知識を覚えていること(記憶)」がベースになっている。
心理学者のヘルマン・エビングハウスは、記憶について実験し、「忘却曲線」に表した。
縦軸に記憶量、横軸を時間とした。
1時間後には、56%忘れる。Ⅰ日後には、74%忘れる。
1週間後には、77%忘れる。1ヶ月後には、79%忘れる。
「人間は忘れる動物である。」
そこでどうすればよいか。
1日後に復習すれば100%に短時間でもどる。しかし、また忘れる。
2日後にまた復習すれば100%に短時間でもどる。
しかし、また忘れる。
3日後にまた復習する。 左のグラフの矢印が「復習で記憶をもどしていること」を表している。
【結論】
①学力を向上させるためには、復習が必要である。
②復習は、できるだけ早くやる方が、苦労が少なくてすむ。
③復習は、繰り返しが必要。繰り返すことで、少ない時間で記憶が完全に近づく。
学力向上の秘訣は、復習を習った日から数日連続で繰り返し行うこと。
心理学者のヘルマン・エビングハウスは、記憶について実験し、「忘却曲線」に表した。
縦軸に記憶量、横軸を時間とした。
1時間後には、56%忘れる。Ⅰ日後には、74%忘れる。
1週間後には、77%忘れる。1ヶ月後には、79%忘れる。
「人間は忘れる動物である。」
そこでどうすればよいか。
1日後に復習すれば100%に短時間でもどる。しかし、また忘れる。
2日後にまた復習すれば100%に短時間でもどる。
しかし、また忘れる。
3日後にまた復習する。 左のグラフの矢印が「復習で記憶をもどしていること」を表している。
【結論】
①学力を向上させるためには、復習が必要である。
②復習は、できるだけ早くやる方が、苦労が少なくてすむ。
③復習は、繰り返しが必要。繰り返すことで、少ない時間で記憶が完全に近づく。
学力向上の秘訣は、復習を習った日から数日連続で繰り返し行うこと。
0
入学式 式辞より
新入生38名の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんの入学を
心待ちにしておりました。保護者の皆さま、お子様のご入学誠におめでと
うございます。心からお祝い申し上げます。
・・・・・略・・・・・・
今日から皆さんは歴史と伝統のある物部中学校の生徒となりました。
・・・・略・・・・・・・
そういった大切な3年間のスタートにあたり、皆さんにお願いしたい
ことがあります。それは、中学校では、まだ自分が気付いていない、「新
しい自分」を探してほしいということです。「新しい自分に出会う秘訣」
を3つお話しします。
一つ目は、「自分の良いところ、長所を見つめ、自分を好きになるこ
と」です。そうなれば、「がんばろう、挑戦しよう」という前向きなエネ
ルギーが満ちてきます。悪いところ、短所も含めて、まるごと自分をす好
きになりましょう。短所は長所です。例えば、「落ち着きがない」と言う
と短所になりますが、「エネルギーがある」ととらえれば、立派な長所で
す。そうやって自分のことをプラス思考で受け止めることを自己肯定感が
高いと言います。自己肯定感が高まると元気が出てきます。
二つ目は、「自分の周りの人の良い面に目をやり、好きになること」で
す。そうなれば、「学校が楽しい」という前向きな姿勢になってきます。
例えば、相手を好きになれば、授業中、学級の仲間と考えを述べ合って問
題を解決するときに、友だちの考えの良さが見えてきて、今まで気付かな
かった見方や考え方を知ることができます。そして、それを参考に自分に
も新たな考えが浮かんできます。
三つ目は、「結果はすぐに出ないから、根気よく挑戦すること」です。
中学生になって、学習内容が複雑になると、すぐに成果が現れないときも
あります。部活動でも同じことが言えます。結果ばかり求めてしまうと、
「自分は能力がない。あるいは、これには向いていない。他のことをやっ
てみよう」というように、自信を失ったり、すぐに諦めてしまったりしま
す。身に付くかどうかは、粘り強く時間をかけて取り組めるかどうかに掛
かっています。「自分にはできる」とプラス思考で考え、挑戦することで
す。
これら三つのことをみんなで実行することによって、新しい自分に出会
い、人の温かさ、努力・工夫する喜びを知ります。また、みんなで苦しん
だり悩んだりする中で、自分の生きる道を見つけることができます。気が
ついてみたら、自分の夢や目標がちゃんと近づいています。
新入生の皆さん、互いに励まし合い、支えう合う仲間になってください。
そして、「よし、明日も元気」と、笑顔で、前を向いて、毎日を過ごして
いきましょう。
・・・・・・・略・・・・・・・・・・
0